【鳩山代表】 民主党の鳩山由紀夫でございます。まずは、21世紀臨調の皆様方にこのような機会をつくっていただいたことを心から感謝を申し上げます。チャレンジャーとして、麻生総理大臣に対して、いろいろと今、お述べになりましたが、私からも思いを述べさせていただきながら、どちらがこの国の将来を本気で憂いているのか、見詰めているのか、ぜひ国民の皆さんに比べていただきたいと思います。
今、麻生総理の演説を聞かせていただいて、いろいろと大変いいこともおっしゃっているのに、なぜ政権をとっておられながらそのことを果たしてこなかったのかということが一番の気になるところでございます。
私どもは今、そういう意味で歴史的な瞬間に立っていると思います。すなわち、今まで国民の皆さんにとって選挙はたくさんございましたけれども、ほんとうの意味での政権選択の選挙ではありませんでした。今回、初めて政権を国民の皆さんが選べる選挙になると思っています。そのことは、決して自民党を批判するつもりで申し上げているわけではありません。いや、むしろ野党が今まで頼りなかった。滑っても転んでも自民党政権が続いていた、そのことに大きな問題があったと私は感じております。ぜひ国民の皆さんが総参加して政権選択をしていただきたい、そのように願います。
私が申し上げたいこと。それでは、なぜ政権交代ができなかったのか、政権交代がなかったことが国民の皆さんになぜ不幸をもたらしてしまったのか、このお話を申し上げなければならないと思います。
私は、政権交代がこの国に事実上なかったことによって、2つのことが指摘されると思います。それは、1つは、ポスト争いに興ずる政権与党の姿。大臣になりたい、総理大臣になりたい。なって何をするということよりも、なることが自己目的化してしまった。そして、2つ目、そのことによって、結局は政策は官僚主導のもとでつくられてきてしまった。本来ならば政治主導で政策を国民と議論しながらつくり上げていかなければならなかったところ、それがなされずに官僚の皆さんに作文をゆだねてしまった。ここに大きな落とし穴があった。
その落とし穴にはまり、何が起きたか。1つは、無駄遣い。いわゆる官僚の皆さんの天下り・渡り天国をつくり、無駄遣いの多い国にしてしまいました。そのことは皆様方にもおわかりのとおりでございます。しかし、これは官僚任せの政治ではなかなか打破することができない問題だと理解いたしております。だからこそ、政権交代が必要だと私たちは思っております。
もう一つ、政策自体、官僚に任せると、官僚の皆さんは、有能ではありますけれども、必ずしも国民の皆さんとの接触が多くない。結果として、霞が関の机の上で机上の計算をして結論を出す。財務官僚を中心にそのことを行えばどうなるのか。財政再建がにしきの御旗になり、社会保障などがどんどん切られてしまった。地域において医師不足、看護師不足、あるいは介護労働してくださる方も不足してしまう。障害者自立支援法という名のもとで自立を阻害される障害のおありの方がたくさん増えてしまった。こういう現実の中で、特に後期高齢者医療制度などというものもつくられてしまった。お年寄りの方々、特に、おれたちは、私たちは死ねというのか、そんな政策もでき上がってしまったのであります。結果として、借金地獄、国債を増発、増発する日本になり、それでもしようがないということで、最終的に消費税を増税させなければならない事態になった。一方で無駄遣いを野放図に続けて、結果として消費税の増税ということになってしまう。こういう国をだれがつくってしまったのかということでございます。
したがって、私たちは民主党として、まず提言としては、無駄遣い、いわゆる天下り・渡りの天国を一掃して、全く無駄遣いのない国づくりに変えていきたい、予算のあり方に変えていきたい。これが第1点でございます。
それから、冷たい政策、霞が関の机上の政策ではなく、皆様方の心の通った温かい政策。私は「友愛社会の実現」という言葉を好んで使っておりますが、まさにその思い、温かい政策というものをつくり上げていくことが肝要だと思って、マニフェストに4つの大きな項目として申し上げているところであります。それは、医療・年金の問題が一つ、教育・子育ての問題が一つ、それから地域のことは地域でやる、地域主権という問題が一つございます。最後に、雇用・経済という問題もございます。この一つ一つにおいて血の通う政策をつくり上げていくことが、民主党が今、まさにやらなければならないテーマだと考えております。
年金の問題は、ご案内のとおり、社会保険庁があまりにもずさんなことを行っていたことが、ようやく民主党が参議院で勝たせていただいたおかげで出てまいったわけでございます。5,000万件の消えた年金、さらに144万件の消された年金、こういったことが明らかになった。私たちは、このことを最終的には年金の一元化に導いていく必要があろうかと思いますし、そのときには最低保障年金としての財源を消費税で賄うこともうたっているわけでありますが、まずは消えない年金に変えていくと、2年間、集中的に対応することを誓い合っているところでございます。
さらには、子育て。私は、社会的に子供をきちっと守るということ、育てるということが日本の少子化対策として極めて重要だと思っておりまして、このようなことを解決するために、決してばらまきとは思っておりません。必要な手当てとして、月2万6,000円をお支払い申し上げるということを考えているところでございます。
なぜ私たちがこういうことをするかといえば、家計を直接潤わせていく。高速道路の無料化の問題も含めて、あるいはガソリン税などの暫定税率の廃止なども含めて、こういったことを行うことによって直接的に家計を潤して、そのことによって内需を拡大して、経済をうまく展開させていくというのが私たちの基本的な発想でございます。
財源がない、財源がない、しばしばそのようなご批判もいただくわけでありますが、財源はあります。207兆円という特別会計も含めた予算の中で、1割以上の無駄があるのではないか。私たちは、事業仕分けなどを行うことによって十分にそのことを見つけていくことができる。これは、やらせていただければ、必ずそのことは約束できると思っているところでございまして、いろいろと事業仕分けの中で実証例が挙がっているところでもございます。そもそも、優先順位の高いものから行っていくということでありますから、無駄だと思われているもの、あるいは不要不急の仕事は後回しにさせていただく。1年、2年待っても仕方がないということも仕事としては出てくることもやむを得ないと判断いたしているところでございまして、私たちがマニフェストでうたっている、このことによって国民の命が救われる、そういった大事な温かい政策をしっかりと行っていくことをお約束申し上げたいと思います。
3つ目の提言として、私たちは官僚主導から政治主導に変えていく。そのためには、政権運営のあり方を根本的に変えていかなければなりません。事務次官会議はやめます。政府に100人、あるいはそれを超えるかもしれませんが、議員を中に入れて、政治主導で解決していく閣僚委員会というものをつくり上げて、その中で実質的に役人ではなくて政治主導で物事の解決を見出していくということを行ってまいりたい。大きな国家的な問題に関しては、国家戦略局というものをつくり、無駄遣いをなくすためには行政刷新会議というものを起こしてまいりたいと思います。このようなことを行いながら、新しい、官僚任せではない、国民のほんとうの意味での主権が見出せる政治というものを民主党は模索してまいることを心からお誓い申し上げ、私からの冒頭のあいさつといたします。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。