【曽根泰教慶応大学教授(21世紀臨調主査)】 それでは、早速、お二人のスピーチに入ります。持ち時間はそれぞれ10分です。麻生さんには、これまでの政権実績と総選挙に向けた政権公約の中で最も優先順位の高い政策または主張を3つお示しくださるよう、お願いいたします。鳩山さんには、民主党の目指す日本の姿と総選挙に向けた政権公約の中で最も優先順位の高い政策または主張を3つお示しくださるよう、お願いいたします。
それでは、麻生さんからお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
【麻生総理】 麻生太郎です。今日は、21世紀臨調の方々のお世話でこのような機会を与えていただきまして、まことにありがとうございました。
3点、訴えたいことというお話をいただきました。私は、景気最優先、安心社会の実現、そして日本を守る、これらの政策について、今日は民主党との違い等々を明らかにさせていただければと考えております。
一番の違いは責任力だと思います。公約には実現可能な裏づけと一貫性というものが必要であります。自民党にはそれをきちんとお示しし、実現する力があると思っております。昨年9月24日、内閣総理大臣に拝命されて以来、経済対策、景気対策、この1点に全力を挙げてきたと存じます。
100年に1度とも言われました世界同時不況というものから国民の暮らしをいかに守るかを最優先としました。甚だ異例なことではありましたけれども、半年間に4度の予算編成を行っております。中小企業の資金繰り対策、また地方公共団体、自治体への支援、定額給付金、また高速道路休日一律1,000円、エコポイントなどなどであります。これらの取り組みの成果は、少なくとも株価(日経平均)という先行き指標で7,050円まで下がっていたものが、今日、1万400円につけていると思いますが、回復してきております。しかしながら、中小企業の実態、雇用の実績、地方という状況を見たときには、明らかに景気回復というものを肌で実感するまでには至っていない、私どもはそう思っております。したがいまして、まだ道半ば。したがって、引き続き景気対策最優先。私は日本の経済を必ず回復させたいと考えております。引き続き大胆かつ集中的な経済対策というものを講じます。
民主党を見てみますと、経済の成長政策というものが見えないまま、お金を配られるというようにしか見えない。自民党は経済を成長させて、経済のパイを大きくした上で分配を考えます。ここが大きな違いだと思っております。
次に、私が目指す社会は安心社会であります。一言で言えば、「子供に夢を、青年に希望を、そして高齢者には安心を」であります。4度の経済対策におきましても、国民生活の安心に特に力を入れたと思っております。例えば、従業員を解雇しないで頑張っている企業に対して、給付の一部を肩代わりする雇用調整助成金、また失業者や母子家庭の方が職業訓練を受ける際には、その生活費の支援、また妊婦健診の無料化などなどです。これらの実績の上に立って、安心社会の実現をお約束いたしたいと存じます。全世代、全生涯を通じた安心保障をつくるということです。それを実現する政策を加速したいと思います。
具体的には、子育て家庭の支援のため、3歳から5歳までの幼児教育を無料にします。高校生や大学生を支援するために、新たに返済しなくてもよい奨学金をつくります。年長フリーターを正規雇用していただくための支援や、非正規社員の方のために日雇い派遣を原則禁止するなど、待遇を改善します。女性の社会進出が必然でありますけれども、保育園に入れず待っている待機児童を解消しなければなりません。女性に優しい企業を支援し、働きたいお母さんを支援するマザーズハローワークを拡大します。
年金につきましては、基礎年金の国庫負担の2分の1への引き上げを実現し、長期的には年金財政というものは安定をしております。無年金、低年金という問題があります。この対策として、年金を受け取るのに必要な期間というものが現行25年でありますけれども、この短縮などについて検討いたしたいと思っております。
しかし、安心できる社会保障のためには財源が必要です。私は、景気が回復した後、社会保障と少子化対策のため、消費税率引き上げを含む抜本的な税制改革をお願いすると申し上げてきました。これに対し、民主党は、消費税につきましては議論をしないというお立場のように見えます。これ以上、私たちの世代の借金を子や孫の代に先送りするわけにはいかないと思っております。必要なら、国民に耳の痛いことも言う、それが政治の責任だと思っております。もちろん、国民の皆様に負担をお願いする以上、まずは大胆な行政改革が必要です。国会議員の削減や公務員の削減、天下り・渡りは全面禁止、公務員の特権というものは許しません。行政の無駄を根絶しなければなりません。今年度予算でも1兆円近い経費の見直しを行っているところであります。
3点目は、日本を守るということです。安全保障についてです。
ご存じのように、北朝鮮は度重なるミサイル発射を行っております。また、2度の核実験をやったという事態であります。日本にとって明白な脅威です。そこで、国連において北朝鮮への制裁、これを日本の主導によって満場一致で採決。この国連決議に従って、北朝鮮の貨物を検査する、そういう法案についても、民主党は審議に応じず、廃案にしてしまいました。その結果、一番喜んでいるのは北朝鮮ではありませんか。
国際的なテロ対策や海賊対策。今、日本の自衛隊はアフガニスタンのテロ対策のために、関係国の艦船に燃料を補給しております。また、ソマリア沖では、各国と一緒に海賊から日本の船を守っております。これらの日本の貢献というものは、国際社会で高い評価を受けていると存じます。民主党はいずれにも反対をしてこられました。それが、最近は、選挙が近づくと、政権をとれる前提のようになって、立場が突然不明確になっておられるように感じます。私は、国の安全保障の根幹がふらふらしている政党に日本の安全をまとめることはなかなか難しい、お任せするのは難しいのではないかと思っております。
投票日は8月30日です。私は、皆さんにこの8月という一月を、日本を考える月にしていただきたいとお願いを申し上げます。私が皆様にお示しいたしておりますものは、これまでの実績と責任ある政策です。経済の成長政策のない政党では、景気回復は実現できないと思います。財源のないばらまきは同様に無責任だと思っております。安全保障政策に一貫性のない政党に日本の安全を任せることはできない。
私と私の信じる自由民主党は、日本というものに責任を持ちます。日本に責任を持つ。安心、活力、責任、国民の暮らしを守る自民党。日本を守る自由民主党。
ありがとうございました。