あらたにす便り

 【あらたにす便り】※編集部のスタッフが交替で近況を綴ります。

学生との対話

2010年8月17日(火)

 故あって数年前から、大学生の“課外ゼミ”指導を頼まれている。

 先日、今年度の活動が始まった。メンバーは東京の私立大学に通う約30歳年下の学生6人。「世界の潮流の読み方」をテーマに、国際問題を議論する場にした。

 顔合せ会合で、このテーマに募集した理由を聞いてみた。「世界がどう動いているか知りたい」「将来海外勤務を希望しているので他国の情勢を学びたい」。内向き志向の若者が増えているといわれる中でたくましい。それでも「もし来週から1年間インドに赴任してくれ、といわれたら喜んで行く?」と聞くと「ウーン」の答え。「中国や韓国企業なら喜んでいく人が多いよ」と指摘して次の話題に。

 新聞を読んでいるかと聞くと、ほぼ全員が「時々」。情報収集はネットで、という傾向は鮮明だ。それでも、「重要なニュースは様々な見方があると思う。そのためには新聞も重要」と、問題意識はしっかりしている。

 自由討議で話題になったのは、楽天やユニクロの英語公用語化の動き。「世界で商売するなら英語は必然」「人事体系や組織運営を変えるきっかけにもなるはず」等々の議論が続く。

 学生は皆、授業、ゼミ、アルバイトで多忙だ。「最近は部活動も休みがち」という人もいる。社会を、世界を学ぶ姿勢は前向きで、自分を磨くことに熱心。時には意表をつく質問が飛んで来る。

 共に議論をしていると、「世界の中で日本は何をしている」「年長世代は責任を果たしているのか」「次の世代に何を残せるのか」という“行間の問い”を感じることも多い。
 
(K)

夏休み@中国

2010年8月9日(月)

 夏休みを利用して中国に行ってきた。

 訪れたのは北京、上海の2都市で、それぞれ数年ぶり。感想をひとことで述べれば「急速な変化と発展のエネルギーに圧倒された」と月並みだが、商売がらメディアやネットにも目が向いた。

 故宮の北に位置する胡同は、北京の歴史的な街並みを味わえる人気スポット。観光客向けの三輪車運転手は地方出身の貧しい人が多いと聞いたが、乗っていたら運転中なのに突然携帯を取り出し話し始めた。「さすが世界一の携帯大国」と感心してしまった。地下鉄では若者がゲームに熱中する姿に「日本と同じか」。

 ホテルのパソコンでGoogle.cnのサイトを開いたら、自動的に香港のサイトに飛ぶ仕組みになっていた。英語サイトでチベットとか天安門を引くと多数ヒットするが、中国語だとぐっと減る。中国での人気サイトといえば、百度など検索やポータルが月間ユニークユーザー1億を超え、アクセス数で世界のトップ50のうち約10が中国サイトという状況だ。

 ホテルで見たテレビの英語番組は欧米と違わなかったが、チベット問題などがあるときはその限りにあらずと聞いた。英字新聞は数年前に比べ確実に洗練度を増し、華字紙もそんな印象を受けた(中国語は読めませんがデザインなどを見た感じとして)。ちなみに中国の新聞発行数は世界1で、高成長を続けている。

 日本でネットやメディアを考える場合、まず国内、そして技術革新の先端を走る米国に目が行く。しかし世界1の携帯大国・新聞大国であり、報道規制が異なる中国を抜きにして、世界のネットやメディアの行方を語れるわけがない。「あらたにす」にどう影響するか・・・はこれから考えようか。
 
(K)
 

電子書籍フェア

2010年7月9日(金)

 東京で開催中のブックフェアに行ってきた。

 内外合わせて500近くの出版社や、システム・印刷会社などが出展を競っていたが、注目の的といえばやはり「電子書籍」だった。

 世界的なプラットフォームの覇権競争をリードするアマゾンとアップルは不参加だったが、新サービス投入で存在感を増すグーグルのブースは人が溢れ、会場スタッフの「通路に立ち止まらないでください」の怒声が繰り返されていた。

 その周辺では、大小さまざまな企業が電子書籍作成の支援システムを紹介。電子書籍用の新端末を展示するコーナーでは、人々が手にとってあれこれ吟味していた。

 どのブースでも入場者(出版業界や書店関係者が多いように見えた)が熱心に質問し、好学目的だけで参加した身としては、割って入るのがはばかられる場面も少なくなかった。

 電子書籍が今後どんなスピードで、どのように普及していくかについては、様々な見解がある。しかし、世界の色々な場所で変化の連鎖が始まっている。ブックフェア会場でそれを強く実感した。  
(K)
     

留学生からの投稿

2010年6月28日(月)

 中国人の留学生から数多くの投稿があった。

 留学先の大学授業で課題に出されたのだろうか。予期してなかった投稿にまず驚き、日本語を見て「先生が手を入れているのかな?」などの疑問も浮かんだ。

 それはさて置き、内容は面白い。留学生の目から見た日本、日本で生活を送り感じること、海外に出て見えてくる中国など様々で、普段思ってもみなかった「視点」を提供してくれる。そしていずれの投稿からも、留学生活から多くを吸収し、将来に生かそうという熱意を感じる。

 留学生たちからの投稿は、「投稿ページ」の中ほど、「テーマ別ピックアップ」に「中国人留学生の投稿」コーナーを設置しまとめてあります。是非ご覧ください。

 >>投稿ページ はこちらから。  
(K)
 

首相辞任

2010年6月2日(水)

 鳩山首相が辞意を表明した。

 「あらたにす」のようなサイトを運営していると、「読者にどんな情報を発信すべきか」「読者の声をどう反映させるか」「何が出来るか」等々、いつも考えているが、大ニュース発生時こそ真価が問われる。

 午前10時からのテレビ中継を見ながら、「ページトップのメッセージ変更!」「投稿用のアイコンを目立つ場所に」「号外はどこに置く」などと編集部メンバーで協議をしながら、バタバタ対応した。

 ニュースサイトとは違い「速さで勝負」ではない。しかし世の重大事に機敏に対応しないのでは感度を疑われる。メディア業界で言うところの「瞬発力」が試される時なのだろう。

 初動対応のあとで考えるのは、この局面で3紙報道や社説の「よみくらべ」をしやすくする工夫。それから、読者の貴重な意見(投稿)をどう反映させるかだ。乞うご期待。

 政権交代、小鳩内閣、Trust me、平成の脱税王・・・数々の話題を残して、「宇宙人」首相は去って行く。次の首相は、どんな話題を提供してくれるのだろう。  
(K)
 

読者の声

2010年5月11日(火)

 「あらたにす」編集部勤務になって1カ月強。人と会うと反響を聞いている。

 多いのは「見ていますよ」「いいですね」という社交辞令。相手にそれ以上話すことがなさそうなら、「それで、具体的には・・・」など深追いは控えるべし。

 「3紙社説を比較して眺めると、世の関心や世論の動きが見える」「案内人のxxさんの記事はいつも読んでいる」などと具体的な声を聞くと嬉しくなる。

 「こんなこともやったら」という提案は、「そんなこと出来っこないよ」と思うものも少なくないが、ありがたく拝聴している。

 先日ある大学から学校案内に使う「教員お気に入りサイト」の欄で「あらたにす」を紹介したいとの連絡をいただいた。「是非どうぞ」と急ぎお答えした。

 投稿、問い合わせ等々・・・。皆様の声をお待ちしています。  
(K)
 

新メンバーです。たわい無い話で恐縮ですが…

2010年4月14日(水)

 今年度から担当に加わりました(M)です。よろしくお願いします。

 いきなり私生活の話題で恐縮ですが、皆さん、ハーブティはどうですか。実は私はまったく苦手です。そこでハーブを理解しようと、週末にとある講座に参加してきました。ある大学の生涯学習の1講座ですが、生涯学習・公開講座は実に多種多様なものがあるんですね。

 配布してもらったプリントに従って、ハーブとは、に始まり、育て方、飲み方など順に話を聞きました。そういう中で記憶に残っていることがあります。「男の人は酸味が苦手だから、酸味のハーブは苦手でしょ」。まさにその通り。

 「おいしくないと思ったハーブは無理に飲まなくていいのよ。おいしいと思ったものだけ飲めばいいんだから」。おっどろき。(苦手なものは避ければいい。会社と違う)。

 こんな調子で進んでいくので、あと数回通えそうです。

 時々たわい無い話題で参加しますね。  
(M)
 

新体制

2010年4月1日(木)

 新年度を迎え、「あらたにす」執行部も新体制になりました。早速、新メンバーの間で「サイトをどう進化させていくか」と侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論を始めています。

 これを機に、自分自身(50歳代・男)のネット活用術を振り返って見ました。新聞、雑誌、テレビ、書籍にインターネット程度だった活用が、急速に変わってきたのはここ10年ほど。インターネットと付き合う時間は延び、メルマガ受信は数十本。iPodは毎日数本ダウンロードし、ツイッターに時々つぶやき、スマートフォンのアプリを調べて、ブログを書き、フォーラムの議論に参加・・・。活用新規開始と同じくらい止めるものも多いのですが、それでも我ながら「情報洪水!」と感じます。

 こんな時だからこそ、「地に足が着いた信頼できる情報」を効率的にすくい上げる知恵が問われるのでしょう。しかも一眼レフでなく、複数の視点で。多少我田引水めいているかも知れませんが、これは「あらたにす」の原点です。

 駄目だったら容易に止められるのは、ネットの持つ特長。原点を忘れず、「何でもやる」精神で「あらたにす」を進化させていきたいものです。

 
(K)
 

「卒業」しました

2010年3月31日(木)

 4月を目前にようやく寒さが緩んできたように感じます。首都圏では満開の桜のもと、入社式や入学式を迎える方も多いことでしょう。

 さて私事ではありますが、本日で「あらたにす」を「卒業」し明日より新聞社に戻って仕事をします。07年秋のサービス立ち上げ期からかれこれ2年半、「あらたにす」をご覧いただいているみなさまを始めとして、様々な立場の多くの方々にご支援いただきました。激励や厳しいご指摘、喜んだり考え込んだり、密度の濃い月日でした。決して「最先端」ではなかったかも知れないですが、動画生中継や携帯端末アプリの提供などの試みをしてきました。国内外問わず「ネット」をとりまく環境に照らし合わせて「あらたにす」はさて何を目指すか、必ずしも答は出ませんでしたが、インターネット事業組合のメンバー一同で知恵を絞ってきたのが現在の姿です。

 本日荷物の片付けにオフィスを行き来していたところ、入社面接に向う途中だったのでしょう、携帯電話に表示した地図片手に「ここはどこでしょう」とあせった様子の学生らしい方に声をかけられました。「あらたにす」で道案内はできませんが、面接に役に立つ、参考になる情報はたくさんあります。あせったときでも落ち着けるよう是非たくさんネタを仕入れてください。できれば新しいところには早すぎるくらい時間に余裕を持って向うとよいですね。

 これからも試行錯誤は続きます。でも新メンバーはさらに強力です。ちょっと大げさですが新生あらたにす、是非ご期待ください。そしてありがとうございました。

 
(雨)
 

引っ越し

2010年3月18日(木)

 あらたにすオフィスが新しいビルに移って、もうすぐ1年。昨春、日本経済新聞社本社が新社屋を建設し移転したのに伴い、入居するあらたにすも新ビルに引っ越しました。

 新ビルと旧ビルの距離はわずか数百メートルですが、新オフィスは19階となりましたので、眺望は以前よりすばらしくなりました。東京・神田の街並みの向こうに、建設中の東京スカイツリーがどんどん背丈を伸ばしている様が見え、空気の澄んだ日にはかなたに筑波山を望めます。

 そんな恵まれた環境のオフィスで仕事ができるのも3月いっぱい。私の場合、4月から職場があらたにすから所属する新聞社に替わることになります。そろそろデスク周りやロッカー内の荷物整理など、引っ越しの準備をしなくてはなりません。

 入社以来30年弱、住居の引っ越しは7回でしたが、職場(オフィス)の引っ越し回数はその3倍くらいでしょうか。とかく新聞記者はあちこちと動き回ります。いつの引っ越しでも、新天地(新職場)への期待と不安を胸に、落ち着かずちょっと高揚した精神状態だったように思います。今回も同じような気分です。

 よく考えてみますと、ある意味、引っ越しはそれを機に気持ちをリセットし、新環境へ向けて自分自身をリフレッシュさせる“通過儀礼”の役割を持つかもしれません。

 人間に新陳代謝が必要なように、組織や商品・サービスにも同じものが求められます。4月からは、後任者が新しい視点、考えであらたにすを新陳代謝させ、より充実したサイトに育てていくことと思います。今後とも、あらたにすをどうぞよろしくお願い申し上げます。 どうもありがとうございました。

 
(河)
 

“ゴルフざんまい”ではありましたが…

2009年11月5日(木)

 久しぶりの近況報告です。10月は隔週末ごとにゴルフ場通いでした。日本の有力プロ・アマゴルファーが出場する「日本女子オープン」「日本オープン」「日本シニアオープン」の各会場に足を運び、プレス席と各ホールを行ったりきたり。日本ゴルフ協会(JGA)が主催する、この3大会の「インターネット協力メディア」となった「あらたにす」として、どんな協力ができるか、試行錯誤の毎日でした。

 ゴルフのトーナメントを現地で見るというのは初めての経験だったため、下手に動いてプレーの邪魔でもしようものなら…と、最初のころはかなり緊張していました。結果として3大会ともプレーオフないしは1打違えばプレーオフという白熱した試合展開となり、テレビの臨場感には及ばないものの、「追っかけツイッター」やフォトギャラリー、ライブスコア、多様なコラムなどで現地の模様をたっぷりお伝えすることができたと思います。

 追っかけツイッターでは、テレビが中継しない、スコアだけではわからない“池ポチャ”のようなミス、そのリカバリーショットといった内容を文字で伝えるという当初の狙いを達成することができました。あまりの更新頻度に、ツイッター画面をご覧になっている利用者から「画面がすぐに流れて困る」といった声もありましたが、最近になって仕分け機能も充実したのでこれも解消しそうです。これに気をよくし、あらたにす編集部では他にもツイッターに適した題材がないものか探しています。

 ところで、私は全くゴルフをしません。それなのに周囲のゴルファー(これが結構多い)たちは「せっかくゴルフ場に通ったのだから、これを機会に始めれば?」の大合唱。どうしたものでしょう。

【写真説明】 (左)石川遼選手のティーショット。帰りのバスを待つギャラリーに「号外」として配った最終成績表に掲載 (右)運営ボランティアが集合して女子オープン優勝の宋ボベ選手を囲んでパチリ
写真
 
(雨)
 

耳を傾ける

2009年9月7日(月)

 「政権交代」という大きなニュースをお土産に、夏が過ぎ去ろうとしています。この夏は、読者のみなさんにどんな思い出を残してくれたでしょうか。

 私の場合はささいなことですが、ちょっと残念なことがありました。庭先のプランターにゴーヤを植えたところ、実ったのはたった3個。昨夏は20個以上収穫できたのにどうしたのでしょう。どんどん実が増えて大きくなるのを眺めるのは結構楽しいものでしたが、今年はがっかりです。「肥料が足りなかったのか…」「日照不足か…」。あれこれ考えるうち、「ひょっとしたら、ミツバチ不足で受粉がうまくいかなかったかも」とも思いました。

 春ごろから、ミツバチの減少で農作物の受粉ができず被害も出ている、とのニュースがたびたび報道されました。ミツバチ不足には複合的な原因があるようですが、うかつにも、受粉という大事なプロセスをミツバチ(自然)に頼っていたとを忘れていました。自然の恩恵がなければ生きては行けないことを再認識した次第です。

 ミツバチのニュースを目にして、二つのことが頭に浮かびました。一つは、もう10年以上前に見たNHKテレビのドキュメンタリー。熊野の山中で野生のニホンミツバチを飼うおじいさんの話です。太い材木をくりぬいて巣箱をつくるのですが、自分がミツバチになった気持ちで木を削る。そこで、「これなら具合がいいだろう」と思った巣箱には大抵ミツバチが巣をつくってくれるそうです。

 おじいさんの話題から連想ゲームのように浮かんだのは、あらたにす新聞案内人のコラム、桐村英一郎さんが林業について書かれた「山のことは山に聞け」(2月19日)。桐村さんは、吉野の山で傾斜地でも崩れない山道をつくる80歳の道づくり名人が、「『ここに道をつくっていいか、と山に聞く』という言葉が印象的だった。」という文章でコラムをしめています。

 ミツバチの気持ちになるおじいさんと、山に尋ねる道づくり名人。共通項は「自然に耳を傾ける」ことだと思います。省みて、これまで自然にどれだけ耳を傾けてきただろうか…。近年の異常気象や生態系の変化などは、自然から送られ続けているメッセージなのかもしれません。

 これから日に日に秋の気配が深まってきます。虫の声、雲の形、草木の色などなど…。まずは、身近な自然の変化に耳を傾けてみようと思います。

 
(河)
 

夏の終わりに

2009年8月24日(月)

 きのう、東京都千代田区の国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑で、シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集いがありました。全国各地から、齢八十をとうに越えた抑留体験者ら約100人が参列、6万といわれる抑留犠牲者に鎮魂の祈りをささげ、白菊の花をたむけました(下の写真)。

 「あらたにす」の週末特集<時の人>に、先月ご登場いただいた抑留体験者の村山常雄さん(『シベリアに逝きし46300名を刻す』<今年度「日本自費出版文化賞大賞」受賞>著者)にも会場でお会いしました。長時間のインタビューに応じてくださったことに、改めてお礼を申し上げました。

 この集いは今年で7回目。スターリンがシベリア抑留の秘密指令を出したとされる8月23日に、抑留関係団体の主催で開かれています。「敗戦後」という特殊な状況の中、60万もの元日本兵らがラーゲリに捕らわれ、死と隣り合わせの過酷な労働を強いられた歴史的事実には、もっと光が当てられてよいのではないでしょうか。

 残暑厳しい千鳥ヶ淵は、行く夏を惜しむかのように、蝉しぐれが降り注いでいました。

 この「あらたにす便り」、4月以降すっかりご無沙汰してしまいました。スタッフ一同、顔ぶれも変わることなく、「あらたにす」読者の皆さんにご満足いただけるようなサイトづくりに日々尽力しております。

 8月12日に、「21世紀臨調」主催の<麻生内閣総理大臣と鳩山民主党代表の党首討論>を実況ネット中継したのもその一つです。ご覧いただけたでしょうか。その後、項目分けした全編映像と詳報テキストも掲載しましたので、ぜひご利用ください。

 有権者の「政権交代」の意思が問われる次の総選挙。どちらに転んでも、9月以降、政治の世界には大きな変化が訪れることでしょう。学校も始まります。新型インフルエンザの「本格的な流行」が心配です。関連ニュースは、くらべる新聞「あらたにす」でチェックしてください。

写真  
(丸山)
 

リセットの季節

2009年4月2日(木)

 3月31日。会社の送別会でした。流れた先は千鳥ヶ淵。参加者共々、ちょっと早めの夜桜見物でした。さすがに満開には少し早かったのですが、人通りもまだ少ないうえ、ライトアップも始まり、良い夜桜を堪能してきました。

 4月1日。エイプリルフールでこの景況の厳しさを笑い飛ばしたいところですが、世の中も3月末で〆。決算や総括で忙しい季節です。この「あらたにす」を運営している日経・朝日・読売インターネット事業組合も3月期決算。通常の月次の〆だけでなく、決算や監査の準備に追われているところです。

 しかし厳しい環境下とはいえ、新人のみなさんの初々しい姿が目立ちました。入社式のトップの挨拶でも厳しい経営環境を訴えながらも、次世代を担う新人に対する期待と激励が多かったような気がします。そして桜の花が満開になるころには、あちらこちらで入学式。さらに若々しい新入生の姿が見えることでしょう。

 実はこの若々しい新入社員、新入生の皆様向けのサイトとして「あらたにす」が紹介されています。

 雑誌「SPA」(4月7日号)はコラムの中で[新生活を5倍快適にする]強力20サイトの一つに取り上げてくれました。「大手3紙のトピックを一瞬でチェックする」サイトとして「飛ばし読みでも世相が見えるはず」と紹介されました。そして新入生向けとしては東京大学新聞(3月22日付)が「読み比べで新たな価値」と紹介しています。

 いずれにしてもいろいろな新聞を読む時間的、あるいは経済的余裕のない新人の皆さんが「あらたにす」を使い、読み比べる第1歩を踏み出す入門サイトとして「あらたにす」を推してくれています。

 「あらたにす」としても若手の読者向けのコンテンツをどのようにして作っていくかを議論しているところです。全面的に改変した「書評」のコーナーでは、とりあえず、若手の読者の皆さんが関心を持つような本を取り上げるケースも増やしていきます。

 今の読者の皆様も、後輩、あるいは若い読者の方は同僚・同級生の皆さんに、ちょっと役立つサイトとして「あらたにす」を紹介してみて下さい。

 そして4月13日。この組合のオフィスが移転します。入居している日本経済新聞社の社屋が同じ大手町内に移転することに伴うものです。決算、監査、歓送迎会に加えて引越しというもう一つのリセットが重なりました。入れ物も大きく変わります。気持ちもすっかりリセットして新しいコンテンツの準備にも取り組んでいるところです。読者の皆様はリセットすることなく、末永く「あらたにす」にお付き合い下さい。

 
(発白)
 

ウォームビズ

2009年3月19日(木)

 長かった冬が終わり、日差しが日に日に春めいてきています。
 この冬は、比較的暖かで雪も少なかったようです。暖冬は温暖化の影響なのかもしれません。

 暖冬とはいえ、そこは冬、寒さに体が縮こまってしまう日もありました。私の場合、人一倍寒がりですので、初冬のころはオフィスの寒さがちょっとつらかったです。

 と言いますのは、あらたにすのオフィスの室温が、私にとっては低目の20度に設定されていたからです。あらたにすは東京・大手町の日本経済新聞社本社ビルの一室を間借りしています。日本経済新聞社は政府の温暖化防止キャンペーン、「チーム・マイナス6%」に参加しており、その活動の一つが「ウォームビズ」です。「ウォームビズ」とは、冬季、室温を20度に設定し過度な暖房を抑えCO2削減を進めようという運動。夏場に冷房の設定温度を上げてCO2排出量を減らす「クールビズ」の秋冬版で、2005年度から行われています。「クールビズ」に比べるとやや知名度は下がるかと思いますが、「チーム・マイナス6%」には2万3000以上の団体が参加していますので、読者のみなさんの中にも、オフィスの室温20度という人がいるかもしれません。

 20度は決して低い温度ではないのですが、寒さに弱い体質ゆえワイシャツ1枚では風邪を引きそう。そこで、薄手のジャンパーを羽織りイスにクッションを敷いて、この冬を乗り切りました。そう、寒ければ暖房に頼りすぎるのではなく1枚着ればいいのです。外に頼るのではなく、自分で工夫すれば対処できます。

 夏場の暑い時期は、電力消費量のニュースなども発信されるため温暖化問題に考えを巡らすこともあったのですが、冬場は忘れがちだったような気がします。
 でもこの冬、「ウォームビズ」のおかげで、CO2削減をしっかり肌身に感じ、意識することができました。

 
(河)
 

「書評」ページが充実して新装オープンです

2009年3月13日(金)

 <乱にて静、静にて備え>

 「座右の銘」と言うのでしょうか、常日ごろ心の引き出しに入れておいて、自分の立ち位置やとるべき行動、判断をやや距離を置いて見つめたいときに取り出して反芻しています。

 数年前、小さな雑誌のとびらのページに載っていた、九州地方の図書館長が書かれたコラムの中にありました。出典や詳しい解釈までは書かれていなかったのですが、仮に戦国武将の時代であれば、いくさの中にあっても心は平静に保ち、かつ平時には兵の訓練や武器の手入れなど備えを怠るな、という戒めでありましょう。これを今の自分に置き換えて、何かたいへんな事態に直面したときに、あわてず落ち着いた対応がとれるように、日ごろから可能な限りの準備をしておけ、と頭の中で繰り返しています。「備えあれば憂いなし」と同義なのでしょうが、「静」という文字が、そこに自分がいるいろいろな場面、風景を想像させてくれることから、とても気に入っています。

 いきなり私事で申し訳なかったのですが、初めて出会う文章や言葉に、はっとさせられる経験はみなさんにもおありでしょう。鷲田清一さん(大阪大学総長、哲学者)が書く「新聞案内人」コラムの文章には、毎回、それこそ鳥肌が立つ(誤用)ほどの感銘を受けます。用いる言葉一つ一つが、鷲田さんによって選りすぐられ、その配置、つなげ方、文章の流れにも工夫が凝らされています。何より、鷲田さんによって単語が文章に紡がれると、その活字を追うことに心地よさ、愉悦を覚えるから不思議です。“鷲田ファン”も読者には多く、そういう投稿がよく届きます。

 「くらべる一面」ページからも読めますが、朝日(天声人語)、日経(春秋)、読売(編集手帳)3紙のコラムも、時代や事象の切り口はもちろん、文章の妙も競い合っています。美しく、心ゆさぶられる日本語との出会いは、気持ちを豊かにしてくれます。

 作家の阿刀田高さんが、昨年秋の「あらたにす読書特集」で、インタビューにこう語ってくれました。ネットの普及で「活字文化」の将来は? と尋ねたときです。
 「パソコン、ネットなど機械的なものは…(中略)…調べものにはいいですね。辞書や年鑑といったもの。でも、小説を読むにはそぐわないのではないか。<紙の本で活字を読む>ということには、人間の生理とかみあった、あなどりがたい長所があると思います」
 この言葉にも、しびれました。特に「人間の生理とかみあった、あなどりがたい長所がある」の部分です。紙の本で活字を目で追う作業には、呼吸する、食べるといった人間が生きていくうえで必然の営みに近いものがあるのかもしれません。映像やネットには代替できない、紙ならではの優位性を、阿刀田さんは「あなどりがたい長所」と言ったのだと思います。そうすると、なぜぎゅうぎゅう詰めの通勤電車の中で、あるいは憩いのひととき珈琲を楽しみながら、わたしたちは<紙の本>をめくろうとするのか、分かるような気がします。

 <紙の本>応援団の「あらたにす」は、先日、「書評」ページを新装オープンさせました。作家たちが自身の近著を語る「著者に聞く」、各界著名人がおすすめ本を紹介する「わたしの書棚」を新設しました。「著者に聞く」は毎週火曜日、「わたしの書棚」は毎週水曜日に更新します。トップバッターとして、楊逸さんと、金田一秀穂さんに登場願いましたが、金田一さんのカバのお話は爆笑ものですよ。
 また、昨年の「秋の読書特集」で実施した、「書店員さんのおすすめ」(毎週金曜更新)や「3紙出版部門のおすすめ」(毎月10日ころ更新)も常設コーナーとしました。もちろん、これまでの「3紙のおすすめ(約10冊)」も、毎週火曜日更新で継続します。
 新装オープンとはいえ、デザインや使い勝手にはまだまだ改良の余地あり、と思っています。内容の充実と併せ、さらなるバージョンアップを検討しています。
 良質な文章、深みのある言葉、それに良書……。それらとの出会いに、「あらたにす」がお役にたてれば幸いです。

 
(丸山)
 

難産の末――iPhoneアプリようやく公開

2009年2月12日(木)

 「陣痛室」に入ってからが長かった。10日に公開となった「あらたにす」iPhoneアプリ(記者発表)

 iTunesのアプリケーション説明画面(クリックするとiTunesが立ち上がります)の記載にもある通り、実は昨年中からまだかまだかと待ち続けていました。早速レビューも多数いただいていて、やはりS新聞社アプリとの比較が目立ちます。

 いろいろなご意見があるとは思いますが、無料ですのでiPhoneやiPod Touchをお持ちの方は是非ダウンロードしてお試しください。ちょっとした仕掛けもあるので、お気づきの場合はお問い合わせフォームでお知らせください。

 
(雨)
 

成人式

2009年1月16日(金)

 さすがに1月も半ばを過ぎ、成人式を終わった時点で「おめでとうございます」もないのでしょうが、読者の皆様には「昨年中は本当にお世話になりました。今年もよろしくお願いします」とご挨拶だけはさせていただきたいところです。

講演の儀式

 12日は成人の日。成人式帰りの若い人々の姿が目立ちました。成人式の次の日、ある大学で学生さん相手にネット関係のお話をさせていただく機会を得ました。講義などお話をする機会をいただく際、毎回、最初にお願いする質問の儀式があります。今回の質問は

①PCでインターネットを利用している方
②NIKKEI NETをご愛用の方
③ブログに参加している方
④SNSに参加している方
⑤「あらたにす」ご利用の方
⑥携帯電話でインターネットご利用の方
⑦携帯でSNSに参加している方
⑧ポッドキャスティング利用の方
⑨iPhone利用の方
⑩ウェブ立ち上げの経験者

 2000年に別の場所でお話した時の質問は、

①仕事でパソコンをお使いの方
②自分でパソコンをお持ちの方
③インターネットを自宅で利用されている方
④仕事でメールをお使いの方
⑤個人でメールをお使いの方
⑥ちなみにDOS時代からパソコンをお使いの方(Macを含む)

でした。

 相手の皆様がどの程度、そのテーマに関心を持っているか、背景をご存知か、などお話をする前に把握するためと、もう一つ目的があります。今、我々が当たり前のように使っていてつい忘れがちなのですが、使い慣れているインターネットなどの環境がわずか、10年足らずの間に整備されてきたということを、改めて認識していただくための儀式でもあります。

ニュースサイトは15年?

 朝日、読売、日経の3社をはじめ、日本の新聞社が相次いでウェブサイトを立ち上げたのが95年から96年にかけて。まだコンテンツを提供するサイトが少ない時代でした。今はPV(ページビュー)やUU(ユニークユーザー)などの数え方をしていますが、立ち上げ当初の頃はヒット数、次にアクセス数など、サイトの規模・人気を示す基準も変わってきましたし、当初のPCだけでなく、携帯電話、PDAなど利用するデバイスも変わってきました。

 すでにスタートして15年近くなったということも出来ますし、新聞社のサイトはまだ成人式も迎えていないともいえます。インターネットそのものも91年にWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)という形で今の原型ができていますし、使い安い形のブラウザーとして「モザイク」が登場したのが、93年。その後、ネットスケープが登場した時、あの「モザイクの会社?」と同僚と話した記憶があります。
 インターネットの本格的な利用が始まったのが、モザイクとすると、こちらでもまだ、成人式に達していない訳です。

 ただ、使い古された言葉かもしれませんが、「ドッグイヤー」という言葉があります。技術革新が早い分野では、1年が7年分の変化に相当するということです。その意味で、ドッグイヤーで換算するとインターネットの歴史はすでに何世代分の歴史といえるかもしれませんし、もしかすると犬の年齢換算どころか、もっともっと早いサイクルなのかもしれません。
 インターネットの基盤を担う会社も変わっています。マイクロソフトの地位を脅かすとされたネットスケープが敗退しましたが、別の形で再挑戦が始まっています。やはり次の覇者を目指したヤフーが苦しい状況に陥っていますし、グーグルが大きな地位を占めるようになっています。グーグルの次を狙うベンチャー達も、次々に立ち上がり始めました。

「あらたにす」も1周年?

 「あらたにす」の立ち上げは昨年の1月31日。以前にも書きましたが、昨年の今頃は立ち上げ準備の真っ最中。開発の仕上げ、コンテンツその他の準備に追われる毎日でした。まもなく開設1周年ともいえますし、ドッグイヤー換算なら7年分の変化をしていなくてはなりません。まだ1歳ではなく、少なくとも小学校進学という一つ上のレベルを目指す必要があります。3年もすると「成人式」を超え、一人前以上のサイトとしてのポジションを確立しなくてはなりません。

 15日には論説トップ鼎談の2回目を実施しました。立ち上げ時と同様、月末には3紙の紙面と「あらたにす」上で、紹介できる予定です。1周年を迎え、もう一度、初心に帰るとのけじめでもあります。
 その一方では、まもなくちょっと目新しいサービスも始めます。コンテンツやサービス拡充のペースをもう一段ギアを上げていくよう準備しているところです。楽しみにしてください。  
(発白)
 

今年は、どんな出会いが…

2009年1月8日(木)

 新年、明けましておめでとうございます。

 楽しみにしていたお正月休みもあっという間に終わってしまいました。読者の皆さんはどんなお正月を過ごしましたでしょうか。帰省、旅行、あるいは自宅でのんびり、などとそれぞれのお正月を迎えられたことでしょう。

 私の場合は、のんびりというよりだらだらしてしまい「寝正月」という言葉がぴったりの休みでした。ただ、前から読みたかった本2冊をひもとくことができたのは収穫でした。2冊は、G・ガルシア=マルケスの「百年の孤独」(新潮社、鼓直訳)と飯嶋和一の「出星前夜」(小学館)。いずれも長編小説で、「百年の孤独」は開拓民のある一族の100年に渡る滅亡までの運命を、「出星前夜」は島原の乱を舞台に人間の強さや悲しさを描いています。一気に読みたいと思っていたので正月休みはいい機会でした。読後感を一言で表すなら、「年始めからいい本に出会えた」です。2冊とも心にずしんと響く中身でした。

 2冊を読んでみようと思ったきっかけは、ある作家が「百年の孤独」は自分にとって聖書のような存在だと語った新聞記事を読み、「出星前夜」はあらたにすの企画「読書の秋 おすすめ100冊大集合」で朝日新聞と日経新聞が推薦していたからです(読売新聞は昨年9月12日朝刊文化面で紹介)。聖書のような存在と思うほどの小説とはどんなものだろうか、3紙が取り上げるのなら面白いだろうなと思って読んでみたところ、結果は期待した以上でした。

 新聞記事と「おすすめ100冊大集合」を目にしなければ、2冊との「出会い」はなかったかもしれません。本との「出会い」は、人との「出会い」と同じくらい、時にはそれ以上に大きなものかもしれません。書店で手にした本との「出会い」も楽しいものですが、膨大な書籍ゆえ「出会い」の回数は限られてしまいます。やはり、だれかに紹介してもらえるとありがたいと思います。そこで、あらたにすではご好評いただいた「おすすめ100冊大集合」のような「出会い」の場を今年も提供すべく、準備を進めています。春ごろにはアップする予定です。

 経済的には厳しさが増す1年となりそうですが、いい本と出会い、心は豊かにしたいものです。

 今年も「あらたにす」をよろしく、お願いします。  
(河)
 

行く年、来る年…良いお年を

2008年12月25日(木)

 年の瀬の賑わいを見せる東京・上野のアメ横商店街。つまみや菓子を売る店の縁台に上がり、だみ声を飛ばす売り子さんがテレビのニュースに登場していました。

 不況で売り上げもはかばかしくないのでは…と思って見ていたら、これがまったく逆で、今年は大量にまとめ買いして行く客が多いそうです。「みんな遊びに出かける余裕がなくて、正月は家に籠もって過ごすようだから、こういうものがよく売れるんだよ」。売り子さんのコメントに、妙に納得するとともに、最近の新聞では見ない日のない、企業の「赤字転落」「大幅減産」「従業員削減」といった見出しが蘇ってきました。

 2008年も、残すところ1週間足らず。皆さんは、どんな思いで「この1年」を振り返っておられるでしょう。今月上旬から「あらたにす」に掲載している特集「写真と号外で振り返る2008年」は、連日たくさんのアクセスをいただいています。1月、2月、3月…と、今年のニュースを順番にたどりながら、そこにご家族のことやプライベートな出来事を重ね合わせる、回顧の下敷きに使っていただいているのかもしれません。

 「新聞案内人」の皆さんにも、年末年始は「回顧・展望」の副題でコラムを書いてもらっています。来年はこんな年になる、こんな年にしたい、という予測、願いを込めて手書きしてもらった「2009年のキーワード」も、それぞれのコラムに貼り込みました。正月休みの間も、平日は休まずに案内人コラムを更新して行きますので、ご自宅のパソコンなどでお楽しみください。

 さて、年が明けて1月末になれば、「あらたにす」も満1歳の“誕生日”を迎えます。三つの新聞が集まって一つのサイトを作るという業界初の試みゆえ、画面の改良にしても、コンテンツや企画特集の制作にしても、この1年はすべてが手探り状態でした。こちらが何かを試みたとき、読者の皆さんからのアクセス数の上昇、また「投稿」「お問い合わせ」コーナーなどに寄せられる叱咤激励のメールが本当に励みになりました。

 1周年記念として、「第2回論説トップ鼎談(ていだん)」を実施します。社説を担当する3紙の論説委員会のトップが集まり、内外の課題について討論した内容を1月末、「あらたにす」と朝刊全国版に掲載します。

 続いて、春に向け、「秋の読書特集」を全面改訂して、新しいおすすめ本を週替わりでどんどん紹介できるような企画を検討しています。来年も、引き続き「あらたにす」をよろしくお願いいたします。  
(丸山)
 

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