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2009年05月16日

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<新型インフルエンザの現状と対策>岡部信彦氏(6/10)



◆マスクは普通のものをきちんと付ける

 飛沫感染対策ですが、「くしゃみ」や「せき」のしぶきでウイルスが伝播します。通常は1-2メートル以内の飛散ですので、マスクをしてください。マスクは100%大丈夫というわけではないですが、医療機関用のものでなく普通に売っているもので十分です。ただ、きちんと付けなければだめです。メキシコでは鼻を出して付けているが大丈夫か聞かれましたが、鼻も隠してきちんと付けるから効果があるのです。いいマスクはきちんと付けるのも難しいので、いいマスクを1枚買うより、普通のものを10枚買って取り替えた方がいいと思います。ある薬局が「他では手に入れにくいN95売ってます」という内容の広告を出してましたが、できればやめてもらいたいですね。
 豚肉を食べないという人が増えているそうですが、インフルエンザは鳥インフルエンザも同様なんですが、呼吸器の感染症で消化器からは感染しません。ウイルスが胃の中に入っても胃酸で不活化されてしまいます。それでも心配なら、肉を加熱して不活化してください。汚染源の肉も市場に出回らないように監視されています。また、豚の内臓の生食はすすめられません。きちんと料理すれば大丈夫と言うことです。そもそも豚が原因の病気ではなく、豚の中で合成されたものが広がっているわけで、今、豚を警戒してもあまり意味はないです。

◆1300-2500万人感染の推定も

 「本当に新型インフルエンザは来るのか」との質問を受けます。これまではスペイン型、アジア型、香港型が有名ですが、普通のインフルエンザの流行もありました。1957年のアジア型、1968年の香港型が発生し、幸いその後の40年間は無かったわけです。今回はアジア型並みと言われ、1957年にパンデミック(世界的流行)があった記憶はあまりないのですが、現実には当時は多数の患者が出たのです。ですから、必ず今後もあると言われていたのが、今の現象でしょう。
 規模と致死率をはかるモデルにメルツァーの推計モデルがあります。全人口の25%が感染したとするもので、日本に当てはめれば1300-2500万人が感染します。中等度のアジア型並みなら入院53万人、死者17万人。スペイン型並みなら入院は200万人で死者は64万人となります。「死者が64万人も出るのか」と驚かれる人もいるかもしれませんが、必ずそうなるというわけではなく、想定の高い方の数字だということです。
 2500万人という数字については、普通のインフルエンザでも1800万人の患者が出ていることを考えればべらぼうな数ではないと思います。死者数の17-64万人ですが、日本の年間死者数は100万人ですから、アジア型並みだとすれば普段より1、2割増えることになり、これは何らかの対策を取る必要があります。アジア型については、各都道府県に記録が残っており、罹患率は20-50%で、「二人に一人が感染し死亡率は10%」との見方が一人歩きしたわけですが、今回の新型出現も、重症度はともかく患者の急増は気にしなければならないでしょう。

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