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2009年05月16日

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<新型インフルエンザの現状と対策>岡部信彦氏(5/10)



◆高病原性ではなさそう

 罹患(りかん)者数がどれくらいになるかわかりませんが、スペイン型、アジア型、香港型で20-40%位の人が感染しているので、このくらいの感染はあるかもしれない。致死率は今のところ、メキシコで3.1%、アメリカは0.3%。こういうことから考えると、タイプとしては幸いに1957年のアジア型と似て、(高病原性の)H5N1ではなさそうです。もしかしたら、スペイン型を下回るかもしれないです。
 H5N1を想定していろいろ準備をしているので、いくつかの薬の登場やワクチンの製造法、医療体制の進歩など、予防や治療のいい点もあるのですが、一方で人口が増えているので感染者数が増える可能性もあるわけです。
 流行のパターンは、スペイン型のように第2波が高くなるのか、あるいはアジア型のように第1波が激しくなるのか、今のところよくわかりません。スペイン型は、1918年の秋から冬にかけて人間の間で感染しているうちにウイルスの毒性が高まったのかもしれません。でも、当時のウイルスが採取されてないのでその辺はわかりません。
 1957年のアジア型は一気に流行しているのですが、死亡率はスペイン型よりも低い。「死」のインパクトということでは低いわけです。さらに香港型はだらだらと流行したようなパターンを示しています。今回の新型インフルエンザがどのようなパターンとなるかウオッチングしていくしかないです。

◆予防にはうがい、マスク、手洗いが大事

 現在のところ、タミフルとリレンザは有効そうですが、予防についてはよくわかりません。どんな薬でも、国民全てに行き渡る量は無いわけですから、いくらストックしても足りないといえます。そうであるなら、重症になるかもしれない人、重症になった人が使うべきで、ただ心配だから服用するということは厳としてやめていただきたいというのが、私の意見です。
 では、予防はどうしたらいいのでしょうか。個人ができることは、うがい、マスク、手洗いなど日常の予防になってくるわけで、それに加え、調子が悪くなった時は、早めに休んでください。欧米ではインフルエンザは家で休んで治す病気だという考えですが、我が国のように「大変だから医療機関に行きましょう」となると、病院は間違いなく混雑します。それに対処するには、外来機関は標準予防策や空気感染ではない飛沫感染の予防策をとり、重症者入院施設は空気感染の可能性もあるのでそれに応じた飛沫感染対策が必要です。
 ワクチンは、ウイルスをアメリカから分与してもらったので、開発、製造に取り組むことができます。ただ、季節性インフルエンザに1000万人前後が感染し1万数千人が亡くなることを考えると、季節性のワクチンをないがしろにできるのか、全部を新型に置き換えることができるのか、データを見ながら判断していく必要があります。

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