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2009年05月16日

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<新型インフルエンザの現状と対策>岡部信彦氏(4/10)



◆新型はタミフルが効く

 インフルエンザの耐性というのがよく話題になりますが、オセルタミビル、これはタミフルという薬、それからザナミビル、これはリレンザという薬なのですが、これに対する耐性の遺伝子を持っているというのが、今年のA/H1N1ソ連型の特徴なんですが、今度あらたに生まれているA/H1N1豚型由来のインフルエンザウイルスは、この耐性遺伝子が見つかっていない。従って、理論上は、ウイルス薬は使える、効果が期待できると言う状況です。
 さて、人が豚インフルエンザの感染を受けた場合、どうなるかということですが、まだ(5月8日午後の時点で)われわれには患者さんがいないわけですが、発表されたものなどを見ると通常のインフルエンザ様のものがほとんどのようです。メキシコの重症例については、基礎的な疾患を持っている人、基礎的疾患というのは、糖尿病であるとか腎臓病であるとかなんですが、どのくらいのレベルの疾患なのかはまだ、発表がないのでわかりません。
 日本でインフルエンザの感染を心配する人は、少なくともいまは、発生国にいたことがあって、インフルエンザ患者と近い距離で接触をした人、ということになる。インフルエンザというのは、普通は町を通りかかっただけで感染するような病気ではないんですね。だから、同じ飛行機で帰ってきた場合など、一応心配になるのですが、感染期間は発症1日前から7日間、潜伏期間は数日程度の見込みと、今のところされています。

◆「毒性」と「病原性」は別物

 しばしば誤解されて使われているのですが、「毒性」と「感染力」、「伝播性」と「病原性」、本当はこれ、全部違うのです。たとえば毒性が強いウイルスが入ってきたから危険だ、弱い、弱毒性のものが来たからこれは大丈夫だろう、とかいう言い方にならないのは、ウイルスの毒性は、細胞に対する攻撃力の強さ弱さであり、「感染力」をいうなら、少数の人に感染して、その人たちがみんな死亡すれば「強毒性のウイルスだけど感染力は弱い」ということになるし、弱毒性の場合でも多数に広がることはあります。むしろ弱毒性の方が多数に広がりやすいのです。
 では「伝播性」というのは、さらに病気の広がり方が強いか弱いかであり、「病原性」とは病気としての重症度~重いのか軽いのか~であります。ウイルスの毒性が弱いものでも、病気としてみると、意外に重症度が重いものがあるし、強毒性であっても比較的軽い場合もありえるわけです。それでみると、いまの場合、ウイルスが持つ毒性は、鳥インフルエンザのような強毒性ではないだろう、弱毒のウイルスだろうとされています。
 感染力では、普通のインフルエンザウイルスと同じ程度で、たぶん、1人から1~3、4人、メキシコでは4人ぐらいにうつっているみたいですが、アメリカでは2、3人くらいだそうで、普通のインフルエンザよりちょっと多いくらいでしょうか。どういう違いがあるかというと、昨今、麻疹(はしか)が流行したわけですが、1人麻疹の患者さんが出て、まわりに免疫を持っていない人がいると、いっぺんに15人から20人くらいにうつってしまいます。それこそスーパーマーケットで行き会っただけでうつってしまうという報告ありますが、インフルエンザの場合はある程度一緒にいないとうつらないということがあります。
 伝播性ですが、病気の広がり方はかなり強そうです。病原性では、病気としての重症度は軽そうですが、これでほっとしてはいけないのは、多数患者さんが出る年では、多くの場合は軽症から中等症でしょうが、免疫を持っていない人だらけとなるとその数も膨大なものになる可能性があります。そうなると、たとえ、致死率や重症率が低いとしても、人としての重症者は増える、これはきちっと警戒していかないといけないと思います。

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