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2009年05月16日

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<新型インフルエンザの現状と対策>岡部信彦氏(3/10)



◆豚の体内で交雑し発生

 豚の体内で鳥のインフルエンザとヒトのインフルエンザが遺伝子の「交雑」を起こして、新たなヒトにとってのインフルエンザウイルスが生まれてくる。こういう形で過去、アジア型、あるいは香港型が生まれました。スペイン型もそうだろうと長い間思われていたのですが、そうではなく、鳥インフルエンザからヒトにやってきたものではないかと最近わかってきています。
 この鳥のインフルエンザ、ヒトを攻撃するような表面の構造をしていないということがあったのですが、鳥が死ぬようなインフルエンザが大流行したときに、これがH5というものですけれども、ヒトがたまたま感染することが1997年、香港で初めてわかりました。それ以来、鳥のインフルエンザというのは、うっかりするとヒトを攻撃することがある。その時に遺伝子の変異がおこるのだとすると、鳥が死ぬような強毒型の、毒性の強いインフルエンザウイルスがヒトにやってくる、この最も気をつけなければいけないと言われたのが、H5N1鳥インフルエンザウイルスに対する警戒です。
 渡り鳥がインフルエンザを持ってる中で、とくにニワトリに非常に毒性の強いウイルス、AのH5N1というのがたまたま人にうつっているのが現状です。400人くらい感染者がいて、インドネシアあるいはエジプトでもヒトの感染者が発生しているという報道も入ってきているので、依然警戒は必要ですが、幸いこれは、ヒトからヒトには感染していない、またごく一部しかヒト同士感染していないということで、「フェーズ3」であるというWHO(世界保健機関)の考え方が続いています。その間に、昔タイプの鳥のインフルエンザが豚に感染し、ヒトのインフルエンザがたまたまこの豚に感染をし、そしてヒトにとって新しいインフルエンザ生まれてしまうということがいま起きつつあるのです。

◆豚、ヒト、鳥がミックス

 ここにインフルエンザの遺伝子構造を示してありますが、黄色く書いてある8本の遺伝子があります。ウイルスがヒトの体内に入ると、これが全部ばらばらになり、8本がそれぞれ増幅するのですが、そこに違った種類のインフルエンザウイルスが体内に入ると、バラバラになったものが一緒になってかたまりになって出るので遺伝子の交雑が起こりやすい、というのがこのインフルエンザウイルスの特徴です。そして、もともとの豚のインフルエンザのあったところにヒトのインフルエンザが入り込み、鳥のインフルエンザが入り込み、そして従来の豚のインフルエンザウイルスの遺伝子とミックスになったものが、これはいつ起きたのかはわからないのですが、ヒトにうつりやすい型になって流行が始まったのではないかというのが、いまの豚インフルエンザです。
 それはヒトにとってもまったく見たことのないNovel influenza virusで、なおかつヒトからヒトにうつりやすいものです。なぜそれがわかったかというと、ニューヨークが一番典型的だったわけですけど、メキシコから帰ってきた人をきっかけにして、メキシコには行ったことのない友だちにうつった。それは一次のところですけれども、そこに兄弟が行っていた別の高校で感染した。これは間違いなくヒトからヒトにうつりはじめているので、フェーズが4になり、5になっています。

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