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2009年07月27日

吉井 妙子 スポーツジャーナリスト 経歴はこちら>>

松坂大輔「米国のタブー」への挑戦(1/4)

 この2週間、日本の新聞にまったく目を触れないでいる。いつもなら海外に出ても、ホテルの売店や街の書店で、日本の新聞の海外版を手にすることが出来ていたが、今回ばかりはそんな贅沢が許されない。私は今、米国フロリダ州のフォートマイヤーズという日本人が誰もいないような街に滞在している。
 この季節、フロリダは日本の夏の比ではないほどの猛暑になる。そんなところへ来ているのは、“メジャーの常識”、あるいは“米国のタブー”に挑戦しようとしている、レッドソックスの松坂大輔を取材するためである。
 6月末に肩に故障が見つかり、今シーズン2度目のDL(故障者リスト)入りした松坂は、7月初旬から当地で自主トレを開始した。

○今季不調の原因は「肩の貯金の目減り」か

 移籍1年目でワールドシリーズの優勝を経験し、先シーズンは18勝4敗とチームトップの勝ち星を上げた松坂だが、今シーズンはまだ1勝止まり。その不調の理由を米国メディアは「WBCの後遺症」と見なし、チームもそう断定した。フランコーナ監督は、WBCに出場させたのは失敗だったとばかりにまくしたてた。
 「すべてはWBCから始まった。大リーグはWBCに参加できる選手は派遣すべきだとしていることは承知しているが、現実に我々は2年間で33勝している投手を故障で失っている。他の選手達はスプリングキャンプから調整してシーズンをスタートさせたが、松坂は(WBC出場のため)それをしないでマウンドに戻った。とても困難なことだ」

 松坂は1年目に15勝、2年目に18勝と活躍したことから、今シーズンの不調は「WBCのせいだ」と誰もが決め付ける。しかし、実は全く違う。松坂が言う。

 「1、2年目に何とか勝ち星を挙げられたのは、日本で作った肩の貯金を使ってきただけ。メジャーに来て自分の調整法が出来なくなり、今はその貯金も目減りしてしまった」

  →次ページに続く(投手の肩は砂時計)

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