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2010年03月05日

吉井 妙子 スポーツジャーナリスト 経歴はこちら>>

清水宏保コラムと記者のため息(1/3)

 17日間の熱い闘いを繰り広げたバンクーバー冬季五輪が2月28日に閉幕した。大会期間中、「あらたにす」の3紙とも五輪に大きな紙面を割いた。

 前回のトリノ五輪が金メダル1個だったことに比べれば、銀3、銅2、計5個のメダルを獲得した今回のバンクーバーは、さぞかし現場の報道陣も勢いづいたに違いない。

 私は北京五輪に続き、今回の五輪も現地取材には出向かなかった。これまで5大会ほど現地で取材してきたが、当地にいると日本ではどの競技に興味が持たれ、どんなことに盛り上がっているのか皆目分からない。日本にいる知人や友人からのメールで、日本の熱狂ぶりを初めて知るということがしばしばあった。

 緊張感に包まれる大会会場と、日本のお茶の間の温度差にも驚かされることがあり、読者の目線でオリンピックを観戦してみたいという思いが募った。

 しかも、私は単独取材のため、現地では、1つの競技会場に行くと他の会場で行われている日本人選手の試合が見られない。五輪前に多くの取材時間を選手に割いてもらいながら、大事なその日に立ち会えなかったことも何度かあった。

 日本でテレビ観戦すれば、選手たちの活躍も見逃すことはない。日本ほど、五輪中継に熱心な国はないからだ。新聞の報道ぶりもしかり。そのため、冬季五輪も1回は日本で見ようと考え、バンクーバーを選んだ。

○選手のコメント取材は順番制

 毎日、テレビ観戦しながら新聞を見比べる。この作業がことのほか面白かった。やっぱりというか、当然というか、五輪報道に各紙の差異はあまりなかったように思う。選手の表情を伝え、試合内容を分析する。生で中継されるテレビを見てしまうと、新聞から得られる情報は少ない。しかし、それは五輪のシステム上、仕方のないことでもある。

 報道陣が選手のコメントを取れるのは、ミックスゾーンだけ。しかも、そのミックスゾーンはメディアごとにしっかり区切られており、選手を最初に取材できるのはOBO(オリンピック放送機構)のテレビ、次に各国の生中継を担当するテレビ局、そして各国のテレビ局、ラジオ局、通信社、開催国の通信社、各国の代表カメラマン、そして最後に新聞社などのペンと続く。

 選手がそれぞれの取材を受け、新聞記者が待つエリアにたどり着くまで30分以上もかかってしまう。しかも、最後のペンに足を運ぶまで、選手たちは同じことを繰り返し質問され、試合終了直後のため疲労も激しく、ペンの前では表情も強張り口数が少なくなってしまうのだ。

  →次ページに続く(目の付けどころが違うコラム)

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