2010年02月03日
| 古城 佳子 | 東京大学大学院総合文化研究科教授 | 経歴はこちら>> |
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注目されていたオバマ大統領によるアメリカの2011年度予算教書が、2月1日に議会に対して提出された。予想通り、景気対策の歳出が増大し、歳出総額は前年度に比べ3.0%増加した。
この結果、2010年度の財政赤字は過去最大になり、対GDP(国内総生産)比で10%を超える見込みとなった。向こう3年間歳出増に歯止めをかけることを提案しているが、オバマ大統領が就任時に約束した財政赤字の削減計画が達成できるかどうか怪しくなった。
世界金融危機後、各国には世界同時不況の悪化による世界経済の危機への対応策として多額の財政出動が求められたが、その結果、世界経済の危機は当面回避された。しかし、各国の経済回復には差があり、しかも各国の雇用状況は改善していない。アメリカも景気は上向いているにもかかわらず、失業率は10%を超える水準で推移しており、オバマ大統領の支持率低下の要因とされている。
○景気対策と財政規律の間で揺れる各国政府
このような状況は各国にほぼ共通している。多くの国において景気回復や国内格差への対応が最優先され、財政規律への対応は後回しにされている。日本においても、鳩山政権下での予算案では、事業仕分けにより無駄な歳出を抑制する政策をとったものの、子供手当などの社会保障費への増額を補うまではいかず、財政赤字は増大している。
各国の国債発行額も増加し、債務残高は悪化している。景気が回復すれば税収も増加し、財政収支も好転することになるが、当面は、各国政府は、景気対策と財政規律との間で、政権運営上どの政策を優先させるのか、難しい選択を迫られることになるだろう。
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