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2010年02月25日

古城 佳子 東京大学大学院総合文化研究科教授 経歴はこちら>>

「保護主義」とは何なのか(1/3)

 世界金融危機後、最も懸念されたのは、各国が大恐慌後の1930年代のような保護主義的政策をとることであった。

 このため2009年4月のG20サミットでも、先進国も途上国も保護主義的政策に訴えない共同声明を出し、WTOのドーハ・ラウンドの2010年内での妥結を目標として掲げた。この時点では、各国が多国間での協調により世界的な不景気に対応しようとする意思を確認できた。

 しかし、その後のWTOでの協議を見てみると、目標を達成することは難しいようだ。2月22日には、ラミー事務局長が3月末に予定していた閣僚会合を先送りすることを表明した。あらたにす各紙は、この先送りにより、年内に交渉が妥結する見込みは一段と低くなった、と報じている。今回の先送りは、ドーハ・ラウンドの妥結への強い意志を示したものの、各国間の事前の調整がうまくいかないことを物語っている。

○困難さ増すドーハ・ラウンドの交渉

 ドーハ・ラウンドは2001年から開始されており、今年で9年目を迎える長丁場の交渉となっている。農業補助金を始めとして、多くの点で起こっている途上国と先進国の対立だけではなく、論点は多様で利害の対立軸も複雑になっている。このために、交渉は一層難しくなっている。

 これまでのGATT/WTOの交渉を主導してきたのはアメリカであったが、アメリカのオバマ政権は多国間主義を掲げているものの、譲歩してまでドーハ・ラウンドをまとめあげようとする意志は今のところ感じられない。

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