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2010年01月22日

桐村 英一郎 神戸大学客員教授、元朝日新聞論説副主幹 経歴はこちら>>

危機をあおるのが新聞の役割か(1/5)

 岡田外相とクリントン米国務長官が12日、ハワイで会談した。今年が1960年の日米安保条約の改定から50周年にあたることから、日米同盟を深めるための協議を始めることで一致した。

 一方、普天間飛行場の移設については、名護市辺野古への移設という現行計画にこだわる米側と、「5月までに結論を出す」とする日本側はかみ合わず、各紙の報道には「懸案の先送り、棚上げ」「つかの間の友好ムード」「協調の演出」といった表現が目立った。

 普天間の移設は大事なことには違いないが、「一基地」と「日米同盟の将来」のどちらがより大きな問題か明らかだろう。「現行計画の通りにしなければ、日米関係はどんどん悪化する」かのような報道でいいのか、首をかしげたくなる。

○日米関係めぐる日本側報道に疑問

 鳩山改革発足から間もない昨年10月1日のこの欄で、私は「新聞こそ『対米追随』ではないのか」という題で、日米関係についての日本の新聞の報道姿勢に疑問を呈した。あらまし以下のようだ。

 ①民主党政権に「大掃除」を期待しているのに、インド洋での給油や普天間基地の移転先など、対米政策だけは「前政権の決定をそのまま引き継げ」というのはおかしくないか。

 ②日米両国が、沖縄県内への移設を条件に普天間返還で合意してから13年。移転はなお解決のめどが立たないのだから、この際考え直してみようというのは、まっとうなことだ。基地周辺の環境保全などをめざして日米地位協定を見直すのも当然だ。

 ③「東アジア共同体」と聞くと「米国離れ」と反応するのは短絡的である。

 ④戦後初の大変化となれば、米国側が期待と懸念を抱くのは当たり前。日本の新聞は、米国の「懸念」を膨らませ、それに対して日本側の「当惑」をくっつけるパターンから抜け出していない。

  →次ページに続く

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