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2009年10月01日

桐村 英一郎 神戸大学客員教授、元朝日新聞論説副主幹 経歴はこちら>>

新聞こそ「対米追随」ではないのか(1/5)

 鳩山政権の誕生から半月。役所の振り付けのない大臣たちの就任会見をテレビでみて、「これはやるぞ」と思った。

 予感の通り、それぞれが突っ走っている光景には、一種の爽快感がある。首相はニューヨークとピッツバーグでの初外交を無難にこなし、国連の温暖化対策会合の「25%削減」演説で点数を稼いだ。「好印象」は大事な「国益」だ。

 「マニフェストにとらわれるな」「豹変の勇気をもて」「官僚とうまくやれ」。新聞はいろいろ忠告や助言をするが、なーに気にすることはない。「25%削減」でも「ダムの中止」でも、どんどん前に進んだらいい。

○新聞が引き留め役に回っている

 むしろ新聞の側が、半世紀の自民党支配が一夜にしてひっくりかえった事態に自分を合わせられず、「まあまあ」「なにもそこまで」と、とりなし役、引き留め役に回っているような感じすらある。

 その印象を強く受けるのは日米関係だ。鳩山首相、岡田外相が「外交の基軸は日米同盟」と繰り返し、米政府も新政権の出方を見守る冷静な構えなのに、日本の新聞が「懸念」や「不安」をあおりたてているように思えてならない。

 「インド洋での海上自衛隊の給油活動を続けよ」と主張しているせいもあってか、読売新聞には「基本政策は継続性が重要だ」(9月1日社説)、「日米同盟基軸を行動で示せ」(20日同)と「変化」をけん制する論調が目につく。
 給油継続では同意見の日本経済新聞は、2日の社説に「鳩山政権は対米政策で『君子豹変』せよ」という見出しをつけて、「野党時代の方針を惰性のまま続け、日米関係に波風を立て、北東アジアを不安定にする選択は、政権党として無責任になる」と述べた。

 洋上給油は「ローリスク・ハイリターン」の貢献かもしれない。アフガニスタンの現状で地上部隊の派遣は困難だ。「やめて、代わりに何ができるというんだ」という問いかけはもっともだろう。

  →次ページに続く(「外交は継続だ」への疑問)

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