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2010年01月08日

歌田 明弘 コラムニスト 経歴はこちら>>

直接民主主義の可能性(1/4)

 総選挙前、本欄「なぜ政策は『パッケージ購入』なのか」で、政権党のマニフェストと自分の望む方向が合致しない場合、自分の望む方向に政治を向けたければ、政権党のマニフェストで納得できない点について自分と同じ考えで、連立を組む可能性がある政党に投票するのが合理的だと書いた。

 社民党や国民新党をとくに意識して書いたわけではなかったが、民主党は、連立を組んだ党に引きずられ、マニフェストの軌道修正を余儀なくされている。先のような投票行動が機能しうることは証明されたものの、多くの議席を獲得した党が、少ない支持しか集めていない党の言うなりになって公約を変更していいのかという問題点も露呈してしまった。

 選挙にあたっての有権者の投票行動としては合理的であったとしても、政治システム全体としてそれでいいかは明らかに話が別である。そもそも右のような投票方法は、いまの政治制度の枠内での弥縫(びほう)策でしかない。根本的な解決にはほど遠い。

○政党は十分に民意を反映できない

 結論から言えば、12月20日の朝日新聞朝刊で批評家の東浩紀氏が述べていたように、「現在の日本では、もう政党は機能を失っている」ということなのだろう。

 東氏は、政党政治は、国民を分断する大きな集団が存在し、政党が各集団の利害を代表していることが前提だが、今の日本にそうした分断はなく、個人がさまざまな集団に多重帰属している現状では、社会を2~5個くらいのグループに分けて政党がその利害を調整するのは現実的ではない、もっときめ細かく民意を代表するシステムが必要だと問題点を指摘していた。

 具体的には、事業仕分けのようにネットも使って議論を公開し、一般の市民もそれを見て議論に参加するという形で民意を可視化し政策に反映させていく一種の直接民主制を導入するのはどうかとのことで、地方の基礎自治体では住民投票、国政レベルでは国会議員を1万人にし、いろいろな専門家が国政に参加して議論をリードしていく将来像を提案していた。

  →次ページに続く

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