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2009年08月05日

歌田 明弘 コラムニスト 経歴はこちら>>

選挙報道の「傾向と対策」(1/5)

 非常勤で教えに行っている大学の授業で新聞の話をしたときに、「アメリカの新聞は大統領選挙などでどの候補を支持するかを明らかにするのに、日本の新聞がそうしないのはなぜなのか」という質問が出た。

 「日本の新聞は、公正をモットーにしているから」などと答えたが、少なくともこんどの総選挙については、その紙面を比べれば、新聞ごとの傾向の違いが見てとれる。これから見るように、読売新聞は民主党に厳しく、朝日新聞は自民党に厳しい傾向がある。

 社説でこうした旗幟を鮮明にしているわけではないが、見出しでは違いが出ている。読む人が限られている社説よりも、拾い読みされる見出しのほうが、実際のところ影響力は大きいはずだ。

 1面ではそれほど違いがはっきり出ていないが、掘り下げて政治記事をあつかっていることの多い朝刊の2面、3面では、見出しを拾っていくだけで違いがわかる。各新聞の傾向がわかれば、選挙報道をどう読むか、個々人の「選挙報道対策」もおのずとできるだろう。

◆読売新聞の見出し◆

 まず読売新聞の見出しを拾ってみよう。
 読売は7月19日の週の前半までは自民党内の混乱の記事が多く、公約(マニフェスト)について大きく取り上げ始めたのはこの週の後半からだ。
 23日、民主党が公約のもとになる「政策集」を公表したのを受け、翌24日の3面は、社説を除く全面を使ってとりあげている。
 見出しは、

 「支給ズラリ 負担ズシリ?」

 負担に「?」が付いているものの、この見出しでは民主党の政策にいい印象は持たないだろう。

 25日は2面で民主党の「子ども手当」、公明党の児童手当などをとりあげているが、いちばん大きな見出しは「負担増世帯は4%」。民主党の政策では負担が重くなる世帯がいることが強調されている。

 26日は2面が、

 「家計支援ずらり 民主マニフェスト 財源なお不透明」

 3面は「民主政権? 惑う官僚」と政権交代することに官僚が戸惑っている記事。3面だけではとくにどうということはないが、2面と3面見開きで見ると、民主党政権になって大丈夫かという雰囲気が漂ってくる。

 27日3面は、民主党の外交政策をあつかう「対米重視へ急転換」という見出しの記事で、中身出しは、

 「民主『現実外交』」「社民反発『変えるのはおかしい』」

 「現実外交」とカギ括弧付きになっているのは、いうまでもなく留保付きということだろう。

  →次ページに続く

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