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2009年06月03日

歌田 明弘 コラムニスト 経歴はこちら>>

“グーグル・パニック”(1/4)

 新型インフルエンザによるパニックが心配されているかたわらで、グーグルのブック検索訴訟和解も、作家や出版社のあいだでパニックのような騒ぎになっている。

 いろいろなメディアがすでに伝えているように、この訴訟は、グーグルがアメリカの大学などの大きな図書館の蔵書をごっそり電子化し、ブック検索の対象にしようとしたことから起きた。

 アメリカの作家や出版社は、権利者が許可していない複製は著作権侵害にあたると主張し、裁判になった。昨年秋にまとまった和解案は、両者の対立の中間をとったなどという折衷的なものではなくて、和解案を裁判所が認めれば、本の世界を一変させる可能性を持った驚くべき内容のものである。

 グーグルは、著作権者の反対がない絶版本を、ブック検索を通して有料閲覧させることができるようになる。作家や出版社は、絶版になっていた本から新たに収入を得られるし、読者も、書店で入手できない本をネットで簡単に見つけて読めるようになる――。
 グーグル、作家や出版社、読者の誰にとってもメリットのある、まさに画期的な和解案のはずだった。

○本の世界一変させる和解案のはずが…

 アメリカの作家団体は、こうして矛先(ほこさき)をおさめようとしていたが、日本も含めた米国外の作家団体はそうはいかなかった。

 和解案での取り決めは、アメリカ国内でのブック検索にのみ適用されるものではあったが、日本も含めた世界中の本も電子化され対象になる。新聞公告などを通して、日本も含めた世界中の著作権者にそのことが知らされ、一方的に対応を求められることになった。

 和解案には、アメリカで流通していない本は絶版本扱いになると書かれている。日本の権利者団体は、日本で流通している本も絶版本扱いされてしまうと反発した。

  →次ページに続く(ネットでのウソの申告心配)

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