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2009年04月17日

歌田 明弘 コラムニスト 経歴はこちら>>

世論調査の問題点(1/3)

 4月6日の読売新聞朝刊一面は、メディア報道のあり方について関心を持っている人間には、少なからずドキリとするものだった。

 いうまでもなく、この日のトップニュースは北朝鮮のいう「人工衛星」その内実はミサイルの発射で、読売新聞も「北 ミサイル発射」という大見出しを載せている。
 私がドキリとしたのは、その左下の「『制裁を強めるべき』78%」という見出しの世論調査の記事である。

 4月8日の本欄で、メディア研究者の林香里氏もこの世論調査について触れていたが、私も一面をぱっと見て、この世論調査の記事が気になった。

○調査するには微妙な時期だったのでは

 インターネットが登場して、「世論調査」は容易になった。括弧付きで「世論調査」と書いたのは、それが世論調査の名に値しないものもあるからだ。きちんとした調査をするためには、調査対象がきちんと設定されているなど考慮すべきことがある。
 プライバシーに敏感な社会の流れのなかで世論調査はむずかしくなっているが、ネット調査は容易に行なえる。そして、その結果は、調査の妥当性にかかわらず、しばしば一人歩きする。

 読売新聞のこの調査は、ネットではなく、電話調査と書かれている。新聞社が行なった調査なのでしかるべき考慮は払われたのだろうと思うが、問題は実施の時期である。
 ミサイルが頭上を飛び越せばまだいいが、越さずに落ちてくる恐れさえ感じていたときだ。私も尋ねられれば、「日本政府は制裁を強めるべきだ」と答えただろうと思うが、こうした特殊な時点に調査する意味は何なのか。そうしたことは、メディア研究者だろうと普通の読者だろうと、思うことだろう。

 関連記事が載っているページをめくると、どうやらこの調査は、内閣支持率など定期的な調査のさいにあわせて行なわれたものらしい。翌週末にはNHKも北朝鮮への制裁の賛否を含めた同様の調査をしている。読売新聞は、たまたまこの時期だったということなのだろう。

  →次ページに続く(世論調査が重視される時代の流れ)

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