2009年03月06日
| 歌田 明弘 | コラムニスト | 経歴はこちら>> |
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珍しく週刊誌報道について新聞が取り上げ、真っ向から反駁(はんばく)している。朝日新聞阪神支局襲撃事件の実行犯だという人物の告白手記を『週刊新潮』が載せたのに対し、朝日新聞は、虚言をそのまま掲載したとの趣旨の検証記事を載せて批判した。
読売新聞など他紙も記事をたびたび載せている。朝日新聞や週刊朝日、読売新聞などの記事を読むと、どうも週刊新潮のほうが分が悪そうだ。
朝日新聞の記者は、別件で服役していた実行犯に面会し、使った銃は「上下2連で、7連発の自動銃。弾は7発入っていた」という言葉を聞いて「『犯人ではあり得ない』と確信した」という。
「上下2連」とは2本の銃身が上下に並んだタイプだが、そうした自動銃は存在しないのだそうだ。そのほか犯人ではありえない理由がいくつも列挙され、とどめのように、捜査当局は「虚偽の部分が多く、事件への関与はないとみている」と書いている。
それに対し、週刊新潮のほうは、記事は「上下2連」とは書いていない、面会に行ったときの会話とごちゃまぜにして手記を否定している、などと反論記事を掲載している。
○週刊誌報道の「理解」は深まった
新聞は週刊誌報道を無視することが多いのに、朝日新聞がこの件についてかなりの紙面を割いて繰り返し取り上げているのは、言うまでもなく自社がかかわる重要事件だからだろう。
読者がどちらの言い分を正しいと思うにしろ、こうして朝日新聞が取り上げたことで、この週刊誌報道についての一般の理解は深まった。もし朝日新聞が取り上げなければ、「週刊誌の書いていることだから必ずしも信じられないけどね」などと言い合いながらも、都市伝説のように、のちのち「あの事件の犯人は、実はこれこれの人物だったらしいよ」などと語られ続けたにちがいない。
朝日新聞が取り上げても、週刊新潮の記事だけを読んだ人は都市伝説の語り部になるかもしれないが、その度合いがかなり下がったことは確かだろう。
実際のところ、新聞が大きな広告を載せていることもあって、週刊誌報道が検証されずにそのまま広まっていることは多い。
週刊誌の部数そのものは1誌あたり数十万部にしても、読売新聞1000万部、朝日新聞800万部などにそれぞれ複数の読者がいるわけだし、電車の中づり広告などもあわせれば、週刊誌の見出しになった記事は、国民の大半が知っていると言えよう。
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