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2009年02月12日

歌田 明弘 コラムニスト 経歴はこちら>>

取材が絶対か――低成長時代のマスメディア(3/3)


 マスメディアは一次情報を伝えるのが役割と言いながら、報じていない重要情報がまだまだあるように思う。政治部、経済部、外信部が、セクション横断的に徹底的に掘り下げて紙面を作れば、「給付金は意味がある」「ない」という各政党の不毛な水掛け論争を伝えるよりもずっと深みのある記事になるのではないか。

○「何も見つからない」も重要情報だ

 また、言われているように、公明党と与党・政府のやりとりのなかで、経済効果についての突っこんだ検討がほとんどされないで出てきたのであれば、「裏付けになるデータを探したけれど見つからなかった」ということだけでも、定額給付金が妥当な政策なのかについての十分興味深い判断材料になりうる。

 裏付けがない政策というのはまったく論外だが、はなはだ困ったことに、そうした政策は多そうだ。しかし、いまはどの程度の裏付けのある政策なのか、それすらもよくわからない。つねに政策の裏付けをはっきりさせておくことが必要だろう。

 相反する意見の識者コメントを載せるというのは新聞がよくやることだが、そうした短いコメントよりも具体的なデータのほうがよほど問題の根っこがわかる。判断材料になる具体的なデータがほしいというのが、いまの読者の感覚ではないか。

 そして、新聞が報じたデータが間違っているという専門家がいれば、それも載せればいい。紙面がかぎられていて無理ならば、生データはネットで公開するというやり方もある。データとデータを突き合わせ、「データのウソ」まで明るみに出すような記事が読みたい。

 「ここに困っている人がいる」といった「部分的な真実」だけでなく、全体としてどうなのかがわかる数字を含んだデータを、視点を変えたりしながら興味を惹くように繰り返し伝えることが、いまの新聞に求められていることだと思うのだが。

 →あす(13日)の新聞案内人は、東大大学院教授の古城佳子さんです。初登場です。

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