2009年01月22日
| 歌田 明弘 | コラムニスト | 経歴はこちら>> |
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12月18日の朝日新聞に掲載された坂本龍一のインタヴューはとてもおもしろかった。一般の人がウェブに接するようになって15年ほど経ち、初期のネットへの熱狂が良くも悪くも醒(さ)め、歴史の歯車が1回転したことが感じとれるインタヴューだった。
坂本龍一は、音楽に対するネットの影響についてまずこう言っている。
「レコードからCD、ネット配信へと媒体が進化し、複製と流通コストが下がったことで、1曲あたりの販売単価は下がった。簡単にコピーやダウンロードをできるようになり、違法な複製も日常化した。音楽の経済的な価値は限りなくゼロに近づいてしまった。これは予想していなかった」
今、音楽以外の領域で活動していても、同じようなことを感じている人は多いのではないか。
たとえば新聞も、ネットで無料でニュースを得られるようになって、1次情報の経済的価値は限りなくゼロに近づいてしまった。音楽やニュースだけでなく、あらゆるコンテンツが同じような状況になっている。
いうまでもなく、これは「経済的価値」であって、音楽やニュースが社会的に価値がなくなったということではない。社会的な価値はかつてと同じくあるが、経済的価値がどんどん下がり、社会的な価値との隔たりがかつて予想もできなかったほど大きくなった。その結果、制作を続けることがときにむずかしくなってきた。
○トップ・ミュージシャンが滅びる時代
坂本は、以前は多額の投資ができる企業や人しか音楽の複製や頒布ができなかったが、ネットは一種の民主化を起こしたわけで、「それはよいことだと思っています」と言う。
たしかに、誰もが情報を発信できるようになった変化そのものは好ましいことだろう。しかし、坂本個人の話となると、事情が少し違ってくるようだ。
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