2008年12月09日
| 歌田 明弘 | コラムニスト | 経歴はこちら>> |
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新聞社のサイトで、動画を積極的に使うようになってきた。各社それぞれの新聞の持ち味も感じさせる構成で、おもしろい。
日経や朝日は、独自映像を、また読売は、グループの衛星放送のニュース解説やトピックス的な番組を使っている。
朝日と読売は、自分たちが作った動画を流すだけでなく、投稿も受け付けている(朝日は動画投稿のページで、読売は、先のリンクの動画ページにも「投稿ビデオ」のコーナーがあるが、日本テレビと共同の独自サイトもある)。
朝日のランキング・トップの動画は社内各部署からの投稿が多いようだが、読売のほうには火事の映像の投稿なども公開されている。
新聞社のサイトで動画を流すというのは海外の新聞社もすでにさかんにやっている。ニューヨークタイムズなどは今年1月、ケーブルテレビ局のCNBCと提携し、その映像をサイトで使うとともに、自分たちの記事もCNBCに提供している。
○記事よりも映像がわかりやすい
さらに朝日は12月2日、同社初めてのマルチユース取材による動画の公開を始めた。マルチユース取材というのは、取材の際にハイビジョンカメラを携行し、記事執筆のための取材と並行してカメラを回し、それを編集してサイトに載せるというわけだ。11月の夕刊連載「ネットはいま」の動画を公開している。
ウェブサイトで動画が重用されるようになればなるほど、新聞記者もビデオカメラを持って取材に行き、動画もあわせて撮ってくるということがいよいよ必要になってくるだろう。
紙面とは違い、サイトでは動画も使えるわけだから、充実しようとすればこうしたことは不可欠だろう。しかし、「ネットはいま」のハイビジョンのフルスクリーン動画などを見ていると、新聞社のニュース報道がはたして今後どうなっていくのだろうかという疑問も湧いてくる。
「ネットはいま」は、紙面での連載も読んだが、動画のほうがやはり圧倒的にわかりやすい。もちろん前後編それぞれ10分たらずのものなので、盛りこまれなかった情報も多いだろうし、テレビ局の人間ならば「もっとずっとうまく撮る」と思うのかもしれないが、そうしたことが些末に思えるほどわかりやすい。
こうしたことが進んでいけば、ニュースサイトにアクセスした人の多くは、関心のあるニュースの動画をクリックして、記事は読まない、ということにもなっていくだろう。新聞記者の仕事も、動画撮影が重要で、記事執筆は「従」といったことにもなっていくかもしれない。
記事は帰りの乗り物のなかでも書けるし、口頭で報告して受けた人間がまとめれば、文字による速報のほうが早いだろうが、動画も、暫定的に編集して出せば、それほど遅れずに出すことも可能だろう。
利用者側は、おそらく速報については携帯電話やYahoo!などのトップページで知り、自宅に帰って音声を出してもかまわない状態になったら、こうした映像を見るといった利用の仕方をするのではないか。日経の動画コーナーは「1日の動きが3分でわかる」とコピーがついているが、新聞を読む時間がない人も、とりあえず1日の経済の動きが簡単につかめるようになっており、すでにこうした需要に応じたものになっている。
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