2010年02月23日
| 歌田 明弘 | コラムニスト | 経歴はこちら>> |
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前回の当コーナーのコラム、<原口大臣「問題発言」の意外な文脈>
は、記者クラブに所属していない記者が記者会見に参加し、従来であればなかったはずの質問が出て起こったものだと書いた。
「オープン化」が行なわれ始めた中央官庁の記者会見は、いまメディアをめぐってもっとも興味深い出来事が起こっている場所のひとつだろう。新聞やテレビではあまり報道されないが、これまではありえなかったやりとりがほかの記者会見でも交わされているにちがいない。
早稲田大学ジャーナリズム大学院「調査報道の方法」取材班が、18大臣の記者会見の「オープン化」の度合いについて調査し、ウェブ
マガジン「Spork!」2月号で結果を発表している。
オープン化の進展はさまざまだが、そもそも記者会見をどちらが主催しているかについて、7つの大臣・省庁と記者クラブで見解が異なっているという。大臣側も記者クラブ側も自分のほうが主催していると主張していたり、大臣側が共催だと言ったりしている。政権中枢の首相と官房長官側は「定まっていない」と答えたという。
○取材を制限するのが記者クラブの仕事なのか
財務省の記者クラブは、「取材を強制的に制限する立場にはない」という理由から、記者会見への参加を認めているとのことだ。権力の監視が報道機関の使命ならば、多様な人間がいろいろな観点から監視し報じたほうがいい。監視役を任じる報道機関が参加を「強制的に制限する」のは本末転倒だ。
財務省の記者クラブの言うとおり「取材を強制的に制限する立場にはない」と誰でも入れることを役所に通告し、「それでは大臣の身の安全を守れない」と言われたときには、(仕方なく)対策を考えるというのが順序だろう。
オープンにすると大臣側が言っているのに、自分たちのほうから制限するというのはどう見ても共感の得られる話ではない。「オープン化」を進めようとしている大臣側に共感が集まり、報道機関は、「監視役」ではなくて「悪役」になってしまう。
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