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2010年01月26日

森 まゆみ 作家・編集者 経歴はこちら>>

NHKの“番審”で考えたこと(1/4)

 4年間、NHKの関東甲信越地方番組審議会の委員をつとめ、このたび退任した。番組審議会(番審)は放送法上、必要不可欠な権威ある機関である。関東甲信越各地からの委員のいろんな意見を聞かせていただき面白かった。

 政府の委員会では、官僚ばかりが説明して委員の発言の時間が少ないが、番審に関する限り、2時間のうちほとんど委員が意見をしゃべっていて、NHKの方々はメモの取り続けである。番組の構成、放送時間帯、ドラマやドキュメンタリーの作り方、バラエティの“ダサさ”、ニュースの常套句やアナウンサーの発音をめぐる意見まで、委員の発言は多岐に渡る。

 どうでもいいようなニュースを定時に繰り返している、という意見もあったし、農業にしても天気予報にしても東京を軸に構成されている、という意見もあった。たとえば農家や漁師など生産者ではなく、消費者側に寄った解説が目立つとか、台風が東京をそれてよかったですねえ、みたいな言い方は困る(直撃された離島の住人はどうなるんだ)、という意見もあった。

 大型の文化番組などはアナウンサー、学者、タレントという3人の構成で進めていく場合が多いが、タレントはほとんど内容のある発言をしないからいらないのではないか、という意見も何度も出た(同意)。

 私はニュースが官庁や大企業の発表ものに偏り、平和運動や環境保護活動など住民の動きをほとんど伝えていないという不満を繰り返し訴えた(それは他のメディアもそうだけど)。

○オンデマンド放送は無料でいいのでは?

 もはやNHKの番組に合わせて帰宅を急ぐ時代ではない。視聴者の都合で、パソコンなどで好きな時に好きな番組を見られるようにすべきではないか、という意見は多く、これに応えて「オンデマンド」放送が始まった。しかしこれも有料であって、既に視聴料を徴収している以上、本来ならタダにするべきではないかと思う。このような意見を踏まえてか、オンデマンド視聴料は、当初1470円だった「見逃し番組1か月見放題パック」が、来月から945円に値下げされることになった。

 また、番組をDVDなどにして売り出すのはいいが、1枚売りはなくて、大河ドラマや「世界ふれあい街歩き」などセット価が諸外国に比べて高すぎるのではないか、というもっともな意見もあった。

  →次ページに続く(批判的な意見を大切に)

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