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2010年08月12日

森 まゆみ 作家・編集者 経歴はこちら>>

相撲の伝統と文化を失わないために(1/5)

 ひょんなことから相撲協会の「ガバナンスの整備に関する独立委員会」に委員として参加することになった。

 正式に決まる前の7月10日、私の誕生日の朝に「新聞辞令」が降りたのには驚いた。肩書きもノンフィクション作家という自分では名乗らないものがついていたのにもびっくり(読売新聞)。

 子供の頃は学校から帰ると、場所中は白黒テレビで見ていたものだけど、いまはそんな余裕はない。あのころ、柏戸や大鵬が全盛だった。柏戸関のお母さんと母方の大叔母が山形で同級生で、柏戸の名の入った浴衣地など貰って着ていた。だからふくよかで美男の大鵬より、うちでは哀しみと色気のある柏戸のひいきだったが、私はまた別に、色黒で背中に毛がうずまく筋骨たくましい朝潮(先代)が好きだった。

○引き受けたのは

 若手力士の暴行死、暴力団の維持員席観戦、野球賭博への関与をはじめとする一連の不祥事は、「角界の常識は世間の非常識」(読売社説、7月18日)という閉鎖社会であることから起きたという意見が一般的だ。ならば相撲に関心のない人もふくめて普通の人々の意見を伝えることも重要ではないかと考えて委員を引き受けることにした。相撲の人気は下降線にあり、「ひとが嫌悪感を持つと、崩壊へ向かってすぐ転がりだす」と漫画家やくみつるさんがいう通り、相撲は危機にある。私は相撲が好きだし、その灯が消えてほしくない。このコラムでは新聞の論調を整理しながら、感じたことを自分の言葉で語っていきたいと思う。

  →次ページに続く(名古屋場所の最中にも)

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