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2010年03月10日

森 まゆみ 作家・編集者 経歴はこちら>>

リゾート法の末路に思う(1/4)

 長崎のハウステンボスを格安チケットで有名なH.I.S.が譲り受けて再生するという。お手並みを拝見するしかない。

 うちの息子も都立高校の修学旅行で行った所だ。大村湾に面し、環境に配慮したテーマパークとしてほかとは違うという宣伝がなされた。

 3年ほど前、私も初めて訪ねたが、アトラクションは閉鎖中の所が多く、来ているのは中国や韓国の団体客たちだった。ヨーロッパを正確に模して作られた町並み、だけどそこで迎えるのはフライトアテンダントのような立ち方、手の組み方、満面の笑みの日本女性。そしてお客はアジアからの団体。なんとも奇妙な、シュールな風景だった。

 でもホテルは質が高く、外国に行く気のない母に、ここでヨーロッパ体験をさせてあげようか、などと思ったのも確かだ。

 地域雑誌を出していた26年間に起こった社会現象は、どれも印象深い。ことに1987年ころ、しきりに「リゾート」という言葉がささやかれた。これ以上の経済成長は望めないし、日本も成熟社会に入るべきだ。それにはワーカホリックはもうやめて、フランスのように夏は1ヶ月くらいバカンスに行こう――。「余暇研究」「国民の自由時間研究」なんてものが発表された。そしてでてきたのはリゾート法(総合保養地域整備法)である。

○赤字は市民の税金から補填される仕組み

 なんだか、耳にここちよかった。
 そのころ私は、むやみな都市の再開発に反対していたが、そのネットワークから入る情報では、リゾート法のせいで地方の環境はとんでもないことになっているというのである。

 バブルの金あまりを背景に、リゾート法で政策誘導がなされ、規制緩和と補助金がついて、やたらゴルフ場開発が進み、芝を保持するために多量の農薬が撒かれている。海を埋め立ててヨット倶楽部を作っている。温泉付きの滞在型スキー場が北海道にできている。カナダ村とかドイツ村とか、テーマパークが林立――。本当にこれでいいのか?

  →次ページに続く(あちこちのリゾートのその後)

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