2009年10月26日
| 森信 茂樹 | 中央大学法科大学院教授 | 経歴はこちら>> |
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新たな政府税制調査会の議論が始まった。年末に向けて、租税特別措置の見直しや透明化法案、揮発油税暫定税率の見直しが議論の焦点になるが、前与党・自民党のもとで意思決定が行われてきた税制を政府のもとに一元化し、意見集約の過程を原則公開することは、予算プロセスを大きく透明化することになる。不透明であった租税特別措置の決定過程の扉も開かれるわけで、新政権にふさわしい方法だと評価したい。
○新政府税調の諮問と論議
さて、総理の諮問には、「税と社会保障制度の適正な運営のための番号制度やその執行体制など、納税者の立場に立つとともに適正な課税を推進するための納税環境整備を検討すること」と記され、番号制度の導入が優先度の高い課題と位置付けてある。10月21日付の日経は、「納税者番号 試される税調」と題する大きな記事を掲載している。
私は、年初(1月15日)のこの欄で、「『番号』の議論が始まる~社会保障番号と納税者番号」と題し、以下の趣旨の文章を書いた。
「これまでの納税者番号導入論は、適正課税の確保や徴税事務効率の向上といった、徴税側の理由に偏っていたが、今後は、給付付き税額控除のような新たな税制を導入するためといった、国民・納税者利便の立場からの検討が必要だ。プライバシーへの懸念に対しては、国民の漠たる不安を理由に議論そのものを避けるのではなく、プライバシー基本法の策定と政府の行動を監視する機構の設立とセットで検討することが必要だ」
○朝日新聞社説の変化
当時の3紙の社説をみると、読売新聞、日本経済新聞は番号導入に前向きだが、朝日新聞は、国による情報の集中管理への懸念から慎重論を展開していた。しかしその後、「納税者番号 導入へ不安解消の議論を」(6月14日付)と題し、「納税者番号には管理社会化の一面はある。しかし、社会保障を充実させるには、乱用の防止を前提として導入せざるを得ないのではないか」と「国民の不安を取り除くための環境整備をていねいに進めること」を条件に前向き姿勢に転換している。
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