2009年07月09日
| 森信 茂樹 | 中央大学法科大学院教授 | 経歴はこちら>> |
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6月23日、今後の経済財政政策を決める骨太方針2009が決定された。小泉経済財政改革の象徴であった骨太2006を踏襲しつつも、シンボルであった社会保障費の(自然増からの)2200億円削減が削除され、中身としては中途半端なものになった。
○小泉改革が誤ったメッセージを発信
私は、小泉改革の一定の成果を認めつつも、骨太06が「歳出削減は善で増税は悪」というレッテルを張ったことが、国民に誤ったメッセージを与え、その後の経済財政政策に大きな足かせとなった、と考えている。どういうことか、今回の骨太で「骨抜きにされた」社会保障費の削減について考えてみよう。
今後2200億円の「歳出削減」を実行しようと思えば、年金の支給開始年齢の引き上げや、介護保険料の引き上げを行わざるを得なくなるであろう。根本問題、制度改革に手をつけなければ、自然増は削減できないからである。
しかし、年金支給開始年齢の引き上げは、年金受給者の負担増(給付減)になり、介護保険料の引き上げは、40歳以上の保険料を支払う者の負担増になる。つまり、「歳出削減策といっても、だれかの負担増になる」という自明の理が浮かび上がる。税負担の増加ということを避けたいがあまり、「歳出削減は誰の負担にもならないから善、税負担の増加はみんなの負担増になるので悪」というレッテルを張ったのが06年の骨太で、その結果、必要な社会保障費の中身まで削減せざるを得なくなり、世の中から大きな反発を受け、今回撤回せざるを得なくなった。
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