2009年04月10日
| 森信 茂樹 | 中央大学法科大学院教授 | 経歴はこちら>> |
|---|
15兆円の財政出動を伴う未曽有の追加経済対策が決定された。財源も建設国債・赤字国債の大幅な発行によってまかなわれる。
今回の経済対策をめぐる一連の議論を見ると、どのような政策をとるとどのような経済効果があるのか、財源はどうすべきか、という点は全くといってよいほど議論されず、結論だけが決まったという印象を受ける。
経済財政諮問会議も、有識者ヒアリングを除けば、追加経済対策の議論を始めたのは、総理の指示「後」(総理の10兆円の指示が6日で、諮問会議における経済対策の議論が7日)に1回開催しただけだ。議論の内容も、使い古された公共投資の乗数効果1.5を使ってはじいた内容で、今必要とされる対策はどの分野へのどのような政策か、大量の国債追加発行が我が国の貯蓄率を低下させ、経常黒字も縮小しつつある中で金利高騰に結び付かないのかという検証など、真剣に議論を行った形跡はまったくない。
今回の経済対策は、政治的な思惑に基づくものだから仕方がない、という声もあるが、われわれの税金を15兆円も使うのであれば、その正当性をしっかり国民に示してほしい。
→次ページに続く(背景に2つの問題が…)