2008年12月01日
| 森信 茂樹 | 中央大学法科大学院教授 | 経歴はこちら>> |
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前回のこの欄(11月7日)で予測した通り、麻生総理の「地方へ1兆円」発言をめぐっては、迷走することとなった。
そもそも来年度から道路特定財源制度はなくなるのだから、「そこから1兆円」というような思考方法自体がおかしい、ということに気が付いていない。一般財源化するということは、揮発油税収が消費税や所得税と同じく一般会計に入り歳入予算となり、別途全体のバランスを考えながら歳出使途を決めることになるわけだが、揮発油税収から1兆円を地方へ、という発想は、いまだ目的税・特定財源制度を前提とした発想だ。与謝野経済財政相が、「溶けてなくなる」と表現したが、それはこのこと(そもそも特定財源ではないということ)を指しているとも考えられる。
○どうする、道路財源
いずれにしても、地方へ大盤振る舞いを行った挙句、道路財源を建設国債で確保、といった悪夢にならないように祈るばかりだ。すでに総理は「税収が減る部分は過去の例を見ても赤字国債を発行することはやむを得ない」と国会答弁(11月26日)しているが、収入が減ればまず支出を見直すというのが、一般家庭や民間企業の発想だ。
気になるのは、マスコミは地方(というか地方分権)に甘いことだ。今回の「地方の一般財源として1兆円交付する」ことが、なんとなく肯定的にとらえられているが、談合、裏金、汚職、機能しない地方議会等々地方の問題は国の比ではない。分権し地方自治体に任せたら、それだけでうまくいくというのは幻想だ。任せていくしかない(地方分権)のであれば、規律や監視を厳しくする制度を併せ導入していくべきだろう。
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