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2010年08月11日

森信 茂樹 中央大学法科大学院教授 経歴はこちら>>

官僚たちの冷めた夏(1/2)

 世の中は記録的な猛暑である。しかし、霞が関は、冷夏、しかも4年続きの冷めたい夏が続いている。

 安部政権、福田政権、麻生政権の退陣はそろって9月、鳩山政権の退陣は6月である。ここ4年間毎夏、総理や政権交代があったことが、日本の経済政策に大きな影響を及ぼしている。

 霞が関の仕事は、「予算」を中心に回っている。新年度予算が始まる4月から、次年度の予算に向けて部内(省内)での検討が始まる。夏までに来年度施策の目玉、つまり1丁目1番地を決め、それを概算要求として8月末に財務省に提出する。おおよその施策には、補助金等の予算措置と、減税の租税特別措置がパッケージとなっており、予算は主計局に、税制は主税局に提出される。秋口の査定を経て、12月の予算決定となる。

○夏は政策を練る時期

 つまり、夏というのは、わが国の政策をじっくり練る時期なのである。その大事な夏が、政治の混乱のために、無為に過ごされている。ここ4年間続けてわが国の総理が交代し大臣も変わり、じっくり政策を練り上げるということは、ほとんどといってよいほど行われてこなかった。役所の方も、いつまで続くかわからない政権や大臣に、本格的な政策を提言しようという気持ちはわいてこなかった。

 リーマン・ショック、ギリシャ・ショック、わが国を取り巻く環境は様変わりである。国内に目をやると、相も変わらず少子化傾向の反転は見られない。高齢化に伴う社会保障費用も増加の一途である。公的年金をはじめとする社会保障制度は、持続可能性のないままで、逃げ水のように縮小していく。わが国の国際競争力の劣化も激しい。もっとも憂うべきは、若者の外国離れである。海外に留学する若者が激減し、チャレンジ精神は確実に失われつつある。円高こそ海外留学のチャンスのはずなのに。リスクをとり新規起業を始めようとするアントレプレナーシップも低下したままである。

 これらの課題はすべて国家が抱え対策を講じるべき課題ではないかもしれない。しかし、政府として、可能な限りの施策は打ち出して、我が国が前に進むべく条件整備を図ったり、必要な規制緩和を行う必要がある。

  →次ページに続く(課題山積の中で…)

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