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2010年01月28日

田中 早苗 弁護士 経歴はこちら>>

「検察リーク」は存在するのか(3/4)



 それでは、なぜ、多面的、大局的な報道が少ないのか。

 政治家とカネを巡る報道は、捜査当局が強制捜査に移るまでは「疑惑報道」とならざるを得ない。しかし本来、国会議員の疑惑に関してはどんどん報道されるべきである。

 アメリカでは、現実の悪意の法理といって、公的人物については報道機関が虚偽であることを知っていたか、または、虚偽であることにまったく注意を払わなかったことを、名誉を毀損された側が立証しなければならない。したがって、公人に関する報道は、辛辣で、時には不快なほど鋭い攻撃でも許される。

○大統領を辞任に追い込んだ米国の公人報道

 一方、日本では公人報道に特別なルールがない。
 そして、小泉首相時代から国会議員や自治体の首長による多くの名誉毀損訴訟が提起され、裁判所も名誉毀損の成立を認め、報道機関に対し高額の損害賠償を命じるようになってきた。このような流れの中、新聞社は紛争リスク、訴訟リスクを考え、逮捕された以降の事柄を中心として報道する傾向になる。裁判官のチェックを経た逮捕以降は、被疑事実にお墨付きを与えられたと安心して報道できるからだ。

 ウォーターゲート事件を暴いたワシントン・ポスト。ニクソン大統領を辞任に追い込むことができたのも「現実的悪意の法理」のおかげだと聞く。日本もアメリカのように公人報道には裁判所で別ルールが適用されることが必要だとおもう。

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