2009年10月08日
| 田中 早苗 | 弁護士 | 経歴はこちら>> |
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9月の末に出された2件の最高裁判断。これにはとても驚かされた。
1件は、「1票の格差」が最大で4.86倍だった2007年夏の参院選をめぐり、首都圏の弁護士らが選挙無効を求めた訴訟の上告審判決(9月30日)。もう1件は非嫡出子(婚外子)の法定相続分を嫡出子の半分としている民法の規定をめぐる最高裁決定(同日付け)である。
いずれも、相変わらずの合憲判決だったが、驚きの一つ目は、国会が今後改正作業を怠れば、近々憲法違反、つまり違憲判決を出すぞという姿勢が見えたこと。
二つ目の驚きが、少数意見で違憲と判断した中に裁判官出身者の最高裁判事がいたことである。前者の事件では近藤崇晴裁判官、後者の事件では今井功裁判官である。
○人事・昇格にも影響した「違憲」判決
最高裁裁判官は合計15人。現在、裁判官出身者が6名、検察官出身者が2名、弁護士出身者が4名、行政官出身者2名、学者1名である。今まで、違憲の少数意見を書くのは、弁護士出身者と相場が決まっていた。
皆さんの中には、どうして裁判官出身者が違憲の少数意見を書くのが「驚き」なのか、理解しがたいと思われる方もいよう。
それは、違憲の判断をすることは裁判官にとってタブーとなっていたからである。
違憲判決は、別段最高裁だけではなく、地方裁判所、高等裁判所などの裁判官も出すことができる。しかし、仮に、違憲判決を出せば、その裁判官は人事、昇格の面で不利益を被ってきているのだ。
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