2010年08月16日
| 田中 早苗 | 弁護士 | 経歴はこちら>> |
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「祖先の祭祀を主宰すべき者として●●を指定する」
この条項は、遺言を作成する場合、通常加筆するものである。
祭祀財産とは、位牌、仏壇や墓地などのように祖先の祭りのために使用される用具で、通常の相続財産から切り離され、遺言や遺言がない場合は慣習でその承継する者を決める。
以前の相談案件では、長男や妻など簡単に承継する者が決まったものだが、最近は、家族がいない、子どもがいるが疎遠だなど、遺言を作成する段になって、誰にするかなかなか決まらない事案が増えてきた。
○墓を守り続けられない現実
こういったケースの場合、たとえ親族がいなくても墓を守ってくれる信頼すべき友人がいるので、友人を祭祀の承継者に指定したいと考えても、承継者は親族に限るという寺や墓苑もある。また、永代供養を考えても、寺によっては、期限が限られ(多くの場合33回忌まで)、結局将来的に合祀となる。なかなかよい解決策が見つからず、結局、墓を守り続けられない現実に直面する方々も多い。
8日付朝日新聞には、遠く離れて住む子どもに迷惑をかけないように、両親の遺骨を墓地から出して海へ散骨し、「墓じまい」をした男性の話が紹介されていた。お墓の維持に悩んでいる方は相当数いるのは確かである。
そういった方をターゲットにしているのか、私の知る限りでも「お墓は、要らない」(高橋繁行 学研新書)、「お墓なんて、いらない」(中村三郎 経済界)、「お墓はなくてもいい」(ひろさちや 幻冬舎文庫)と3冊も今月発行されている。
それらの本を読むと、散骨も海洋葬だけではなく、樹木葬、空中葬、宇宙葬、聖地葬などがあるというから驚きだ。
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