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2010年01月20日

西島 雄造 ジャーナリスト、元読売新聞芸能部長 経歴はこちら>>

『インビクタス』栄光の物語の陰に(1/4)

 人は栄光の物語を好む。ネルソン・マンデラの名を知らない人は少ないだろう。南アフリカの長きにわたる人種隔離政策=アパルトヘイトと闘い、国家反逆罪で1962年から90年まで、ロベン島などの刑務所で過ごした。

 釈放後の94年4月、同国初の全人種が参加した選挙で勝利を収め、第9代の南アフリカ共和国大統領に就任した。ノーベル平和賞受賞者でもある。

 栄光は新たな栄光の物語を紡ぐ。それから1年後の5月25日から6月24日にかけて、同国で開催されたラグビー・ワールドカップのこともファンならよく知っていることだろう。日本はC組予選に進出したが、1勝も出来ず、なかでもニュージーランド戦では屈辱的な大敗を喫している。

○奇跡の勝利描いた『インビクタス 負けざる者たち』

 決勝トーナメントで、世界最強と目されたそのニュージーランドと戦い、大方の予想を覆して、初出場で初優勝の栄冠を勝ち取ったのが南アの代表チーム、スプリングボクスである。就任間もない大統領は、ラグビー・ワールドカップを民族融和政策の旗印に掲げ、新たな未来へ踏み出す試金石ととらえた。自らも緑と金色のユニフォーム姿で、6万2000人の歓声でどよめくスタンドに立った。

 ≪奇跡の勝利≫をもたらした主将フランソワ・ピナールとマンデラ大統領を描いたクリント・イーストウッド監督の映画『インビクタス 負けざる者たち』が、日本でも2月5日から公開される。

 2007年には仏・独・ベルギー・南ア合作で『マンデラの名もなき看守』が作られている。獄中のマンデラの看守となった主人公が、次第にその人間性に感化されてゆく姿を感動的に描いていた。そして今作も、マンデラ役のモーガン・フリーマンと、フランソワ役のマット・デイモンの好演もあって、実話がもつ物語の力にうたれる。

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