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2009年11月26日

水木 楊 作家、元日本経済新聞論説主幹 経歴はこちら>>

「高校無料化」より大切なこと(1/5)

 最近の新聞で目に付くのは、民主党政権の公約である「高校無料化」の文字です。

 公立高校の授業料を無料にして、事実上の義務教育にするという考えのようですが、どうもその意味がよく分かりません。

 というのは、中学から高校に進学する若者の比率はすでに98%になっているからで、いまさら無料化してインセンティブをつけてみてもわずか残りの2%をなくすことくらいの効果しかない。

 明治5年(1872年)、政府が学制を敷き、小学校の義務教育化を実施したときの言葉は、「邑ニ不学ノ戸ナク、家に不学ノ人ナカラシメン」。つまり、村に不学の子どもたちがたくさんいたからで、先進国に追いつけ、追い越せの掛け声のもと、小学校を無料にしたのでした。

 では、いま何のために、高校無料化をするのか。貧しい家庭の負担を軽くするというのであれば、所得の低い家庭にだけ補助を与えればいい。聞くところによれば、それは事務的に煩雑すぎるということのようです。

 では、高校に直接お金を渡すということになるのか。その場合、所得の多い家庭の集まる地域の学校と貧困家庭の集まる学校を区分けするというのか。厄介な問題になりそうです。

  →次ページに続く(分数のできない大学生)

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