2009年11月04日
| 水木 楊 | 作家、元日本経済新聞論説主幹 | 経歴はこちら>> |
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新聞記者の仕事はもちろん文章を書くことですが、その前にもっと大事なことがあります。それは、人物を見分けることです。
配布された文書をもとに記事にする場合は別ですが、取材をしている相手がどのような人物なのか、嘘をついていないかどうかを見分けなければ、いくら立派な文章を書いたところで、誤った情報になってしまうおそれがあります。
人物を見分けるのは、実は容易なことではありません。ですから、新聞記者が文章を書く場合、最も難しく、読む側からすると、最も面白いのが、人物評とも呼ぶ人物記事です。その人物記事が最近めっきり少なくなってしまったことを寂しく感じています。
もちろん、各社とも「人物紹介欄」はあります。新しく役職についた人とか、何か特記すべきことをした人のことを紹介する欄ですが、これは大体、褒め言葉で終始し、人物を深く洞察した上での人物記事とは、少々異なります。
そんなことを思っていたとき、近刊の『記者風伝』という本を発見し読みました。著者は朝日新聞夕刊の「素粒子」欄を長く執筆していた河谷史夫氏です。伝説の記者たちを紹介した本ですが、その中で敗戦後、夕刊の「人物天気図」という連載を担当した斎藤信也という記者のことがまことに印象的でした。
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