2009年06月23日
| 水木 楊 | 作家、元日本経済新聞論説主幹 | 経歴はこちら>> |
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北朝鮮は核開発を進めると宣言し、国連の制裁決議に反発して、「プルトニウムの濃縮は核兵器を製造するため」としています。のみならず、長距離弾道弾の発射準備も進めている気配です。
こうした一連の行動を見ていると、1931年(昭和6年)の満州事変から、国連のリットン調査団の報告に反発して、国連脱退へと一直線に進んでいったかつての日本の姿を思ってしまいます。外から見たら、きっといまの北朝鮮のように映っていたのではないかと想像したりします。
「あまり日本を追い詰めると、絶望から戦争に打って出るおそれがある」という主旨の進言を、ハル国務長官にしたのが、真珠湾攻撃の前のグルー駐日大使でした。
けれども、ハル長官は、「いまだかつて絶望から攻撃を開始した国があろうか」と言って受け入れようとはしなかった。そして、日本は、「ジリ貧になるくらいなら、ドカ貧の覚悟でいこう」と攻撃を開始したのでした。
ハル長官は日本の指導者に、西欧流の合理主義があると信じていたのかもしれません。内心は、日本に攻撃させて、国内外世論を参戦賛成に導きたかったのではないかという憶測もありますが、少なくとも表向きは、日本の合理主義を信じる姿勢をとり、それが米欧社会では説得力を獲得したのです。
日本の合理主義とは、包囲されることによって生じる甚大なコストを計算し、無謀な行動をやめるというものです。
○「合理主義」が北の指導者にあるのか
はたして、北朝鮮の指導者の心の中には、そのような合理主義があるのでしょうか。正直に言って、私にはそれが分かりません。もし、合理主義があるというのでしたら、制裁のコストの大きさを計算して、いずれ核開発を止め、6カ国協議の場に出てくるに違いありません。
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