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2010年02月05日

安井 至 (独)製品評価技術基盤機構理事長、東大名誉教授 経歴はこちら>>

「環境」への期待と現実、日米で違う(1/4)

 昨年末発表された鳩山政権による新成長戦略で、環境エネルギー分野は、強味を活かす成長分野だと定義された。 

 そのうえで、『50 兆円超の環境関連新規市場』、『140 万人の環境分野の新規雇用』、『日本の民間ベースの技術を活かした世界の温室効果ガス削減量を13 億トン以上』という大きな目標が掲げられた。

 1月には、オバマ大統領による一般教書演説、鳩山首相による施政方針演説、その両方において環境エネルギー産業の重要性が指摘された。2月になって、日本では温室効果ガス削減の行程表の案が明らかになった。25%削減のうち、最低15%を国内(いわゆる真水)で実現することになりそうである。

 米国主導で検討がなされており、新規産業のタネになると言われているスマートグリッドについても、経済産業省が国際標準化の重要性を訴える報告書をまとめた。

 両国とも、今後の産業を支える分野として、環境エネルギー分野への期待度が高い。しかし、ニュアンスは日米でいささか違いがある。何が違うのか。また、その違いは何に起因するのだろうか。

○「雇用確保」と「危機解決」でニュアンスが違う

 まず、オバマ大統領の一般教書演説を分析してみると、"Energy"という単語を含む文章が9個ある。その多くのものが、"Clean Energy"によって雇用が増えているという主張である。環境エネルギー技術とは、あくまで、雇用確保のための経済的な手段であるという主張のように読める。

 一方、鳩山首相の施政方針演説では、4ヶ所で“エネルギー”という言葉が使われていて、環境・エネルギー技術は危機解決のためのもので、かつての産業革命に匹敵する革新性をもつべきであり、成長を誘発する原動力であると述べている。そのため温室効果ガス25%削減の目標を達成する「グリーン・イノベーション」を推進し、新しい需要を生み出したいとしている。

 鳩山首相の主張には、地球レベルの危機を解決するという、ややナイーブとも言える使命感があるように感じる。これは、オバマ大統領が就任演説で環境エネルギー技術の重要性を述べたときのトーンにも近い。

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