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2009年12月22日

安井 至 (独)製品評価技術基盤機構理事長、東大名誉教授 経歴はこちら>>

「COP15」は成功? 失敗?(1/4)

 デンマークのコペンハーゲンで行われていた気候変動枠組条約に関する国連の会議、COP15が終了した。20日の朝刊を見ると、主要国が提出した「コペンハーゲン合意」を「承認」と表現したのが朝日新聞と読売新聞。「合意を了承」と表現したのが日本経済新聞であった。一方、NHKは「合意文書に留意する」と放送した。

 「承認」「了承」「留意」などなど…と様々に訳された英語の表現は“take note”"であった。これは、採択、署名、受諾などに比べ、かなり弱い表現である。そうせざるを得なかったのも、この合意文書を作成したのが26ヶ国の主要国であり、その枠外に置かれた途上国の反発が非常に強かったためだとされている。

 ニュースで見ると、中国代表が最後に主張していたことは、この文書は署名された(singed)ものでもなく、公的に認められた(acceptedと言ったと思うが、adopted のつもりだった可能性はある)ものでもない、ということであった。要するに、主要26ヶ国の協議の中で、中国としては、いやいや合意したという意思表明をしたかったのではないか、と思われる。

○“どこからみても満点”の国はない

 この合意文書は、それならどのような“成果”なのか。それは、どのような立場から見ても、めざましいものだとは言えないものだろうが、国や立場によって評価は異なるだろう。

 環境派の立場から見れば、こんな不十分な終わり方は許容できないだろう。国としても、ツバルなどの島嶼(とうしょ)諸国は、似た思いが強いことだろう。もっともツバルの沈下は、海面上昇だけが原因だとは思えない要素が大きいと思うのだが。

 日本の産業界に近い立場から見れば、米国はもちろんのこと、中国やインドなどのBRICS諸国も参画した形で、国際的に公平な枠組が新たに創設され、結果として京都議定書の継続が阻止されることが最良の結果であったろう。

 中国から見れば、現在の京都議定書が継続され、法的拘束力も維持されることによって、CDM(クリーン開発メカニズム)による巨額の資金が中国に流れ込む枠組が継続されることが、最良の解だったと思われる。言い換えれば、今回のように、削減をしろ、資金提供をするから情報を公開せよ、などと言われる筋合いはない、という立場だったろう。

  →次ページに続く

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