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2009年08月31日

安井 至 (独)製品評価技術基盤機構理事長、東大名誉教授 経歴はこちら>>

選択の後は外にも視線を向けよう(1/3)

 今回の総選挙で、国民に直接配分される国家予算については色々と議論がなされ、それに基づく選択がなされたと思うが、いささか視線が内向きであった点は否めない。

 まだ大きな部分の方向性が見えない。一つは国際関係であり、もう一つは、地球の限界である。21世紀にどのような戦略をもつべきか、に関わる大きな要因である。いずれも、国外との関係をどのように把握し、これから先、どのような明確な意図をもって国造りをするのか、であるが、現時点では、どのように視野に入っているのかどうかも明確でない。

 別に米国やEUの模倣をせよということではないが、多様性でバランスをとっている国という意味で、もう一度これらを見直すと同時に、今後の国際社会の動きを決定的に決める途上国とどう付き合うかという外向きの視点を重視することが不可欠のように思える。

○自動車産業の世界的方向性決める米カリフォルニア州

 米国というと、何がなんでも市場に任せた経済運営を行うというイメージが強いが、全くそうではない部分とのバランスによって成り立っているように見える。例えば、自動車関連であれば、GMを国策として救済したが、排出ガスの規制については、カリフォルニア州という極めて厳しい態度を示す特異な州が存在していて、実は、ここが米国のみならず世界全体の自動車産業の方向性を確実に決めている。

 オバマ大統領がグリーンニューディール政策で、「米国でプラグインハイブリッド車を作る」と宣言したことも、また、日本でこの8月下旬にホンダが電気自動車を開発中であると報道したことも、実は、このカリフォルニア州のゼロエミッション車という規制が存在しているからである。

  →次ページに続く(産業政策が生存策の根幹)

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