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2009年05月20日

安井 至 (独)製品評価技術基盤機構理事長、東大名誉教授 経歴はこちら>>

次なる感染症到来に備えは十分か(1/3)

 とうとう日本は新型インフルエンザの大々的な感染国になってしまった。大型連休の前ぐらいから、新型インフルエンザの世界的な感染拡大が連日大きなニュースになっていた。患者数の増加速度が依然として大きいが、弱毒性ということもあって、世界的なパニックになっていないのは救いだろうか。

 今回のブタ起源のインフルエンザの流行に対して、どのような戦略で臨むのか、国によって大きな違いが見られた。
 最初の大量発症が起きたメキシコは、あまり戦略性がなかったように思われる上、感染者数、死亡者数のデータにも納得できない部分があるので除外するが、一般的に言って、欧米系の国では、日本で言う水際戦略を取る傾向が低かった。

○日・韓・中で採用「水際作戦」の結果は…

 一方、アジアでは、日本だけでなく、韓国、中国も同様の水際戦略を採用した。

 この違いはどこにあるのだろうか。海が一応の国境になっているイギリスなどを除けば、欧州には国境はないに等しい。米国とカナダの間にも国境はないに等しい。一方、日本と韓国は、かなり厳密に定義できる国境がある。このような国の置かれた状況が、対応に違いを生んだのだろうか。

 今回のような弱毒性のインフルエンザが、世界規模で感染が広まることが最初に起きることは想定外だったのだが、それを強毒性のインフルエンザの流行に対応するための良い学習の機会だと考えるべきだったのではないだろうか。

 そう考えれば、日本あるいは韓国のような水際作戦を行うことが、どれほど有効なのか、その労力はどのぐらいのものなのか、いわばその実証実験を行うことはかなり意味があったのではないかと思う。
 しかし、水際作戦はやはり難しいという結果を導いてしまったのは残念だった。

  →次ページに続く(強毒性インフルに対する戦略練り直しを)

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