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2009年01月06日

安井 至 (独)製品評価技術基盤機構理事長、東大名誉教授 経歴はこちら>>

【回顧・展望】「新こたつ文明」を広めたい(1/2)

 1月20日、オバマ米国新大統領は就任演説の中で、グリーン・ニューディール政策を高らかに謳(うた)いあげることだろう。


○グリーン・ニューディール政策への対応

 ニューディール政策である以上、目前の利益を無視して、長期間にわたって経済発展を促進する効果のある政策が実行されるはずである。

 具体的な対象としては、自然エネルギーの大量導入によって、海外からの石油への依存度を下げることに加え、自動車産業をグリーンな車、特に、プラグインハイブリッド車の開発で蘇(よみがえ)らせることを目的とするものと思われる。

 米国は、アリゾナ州とかネバダ州のような未開の乾燥地帯に恵まれているので、自然エネルギーの大量導入は、太陽光と太陽熱、特に集光型の太陽光発電、さらには風力発電など、可能性はいくらでもある。

 それに引きかえ、日本の状況は非常に不利である。日照時間が短く、かつ、風況も複雑である。特に、台風という強風が吹くこともあるため、機械的に十分な強度を持たせた風力発電設備が必要になる。結果として、日本の自然エネルギーは高価になる。

 さらに、日本では、電圧・周波数の揺らぎを極端に抑えた電力を「良い」とする伝統があるため、電力業界は自然エネルギーの導入には消極的になっているのが現状である。

○米自動車業界を蘇らせられるか

 米国の自然エネルギーの状況がいかに恵まれているとは言っても、夜は来るし、無風のときもある。となると、蓄電設備の開発が必要不可欠だということになる。ここに「目前の利益は無視して将来を見越した投資」が行われれば、米国は、新時代の電力技術で世界をリードすることになるだろう。

 ハイブリッド車の技術も、電力技術の一種である。しかも、プラグインとなれば、電池という蓄電設備がかなり大量に必要である。自然エネルギーと技術の質が似ている。すなわち、この両者で協調的な技術開発が活きる可能性があって、米国自動車業界が本当に蘇るかもしれない。

  →次ページに続く(日本はどう対応するか)

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