2008年12月12日
| 安井 至 | (独)製品評価技術基盤機構理事長、東大名誉教授 | 経歴はこちら>> |
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現在、ポーランドのポズナニにおいて、気候変動枠組条約第14回締約国会合(COP14)が開催されている。この会議は、2020年のいわゆる中期削減目標を議論する会議であり、13日に終了予定である。最終的には、来年、デンマークにおいて行われるCOP15で決着を見るものと考えられている。
本年のCOP14は、その前哨戦であり、数値目標といった重大なものが決まるという訳ではないのだが、どのような削減手法を用いるかといった、今後の交渉の前提となる条件は決めることになっている。
○五里霧中の日本政府の対応
数値目標としても、議長国見解として、2020年には、1990年比で25~40%削減を共通目標とすべきとする、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の数値が語られている。しかし、今年の会議は、すでに京都議定書の枠組みから離脱した米国ブッシュ政権のまさに最終段階に位置するため、実質的な議論は不可能な状況である。
オバマ次期大統領は、米国の中期目標として、2020年で、1990年レベルまで排出量を戻すという公約をしている。この数値とEUの数値の相違はかなり大きいので、来年のCOP15も大荒れになって、これまでの準備が無駄に終わる可能性もあり、その大波の中にもまれても自らのポジションをしっかり維持するためには、周到な準備をして臨むことが必要不可欠である。
ところが、このような眼で現状の日本を見ると、誰も政治的なリードを取ることもできず、また、誰も日本全体の利益を考えた新しいアイディアなどを出すことができていない。極めて、心配な状況にある。
福田政権時代には、まだ、多少の動きがあった。例えば、環境外交、科学技術外交によって、日本の優れた省エネ技術を交渉の武器にして、地球環境面からも、また、国益面から見ても有利なシナリオを描くのだ、という大きな方針があった。しかし、現時点では、全く五里霧中の状態に逆戻りしている。
日本の国内政治は、今後数年間、混迷の時期を迎える以外にないのかもしれないが、もしもCOP15の準備が不十分なまま来年の暮を迎えれば、その悪影響は10年以上に及ぶ。ひょっとすると、日本の科学技術立国そのものが不可能になってしまう可能性すら否定できない。
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