2010年03月15日
| 伊藤 元重 | 東京大学大学院経済学研究科教授 | 経歴はこちら>> |
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日本政府の発行している国債残高が急速な勢いで増えている。対GDP比で見た日本の公的債務の規模は先進国では断トツ1位で、海外で日本よりも高い債務比率の国はアフリカのジンバブエだけというような状況である。
それでも日本の公的債務は、日本国民の貯蓄で支えられているので大丈夫だという議論がある。金融機関の貸し出し先が細っていることもあって、預貯金で集めた資金の多くが国債運用に回っている。国民の潤沢な貯蓄資金がある。しかし貸し出し先が少ないので資金があまっている。だから国債へ資金が流れている。その結果もあって国債価格はかってないほど高い水準になっている。つまり国債利回りはかつてないほど低い水準になっているのだ。
○国債はバブル、個人の購入は低水準
経済学者はこうした状況を国債バブルと呼んでいる。政府がこれだけの債務を抱えているのに国債が高値で取引されているというこの不自然な状況はいつまでもつのだろうか。経済学者でなくてもこうした状況が心配な読者は多いはずだ。
ここに一つおかしなことが起きている。個人国債はあまり売れていないのだ。国民は国債を持とうとしない。しかし、国民が大量の資金を預けている郵便貯金や銀行預金は大量の国債に投資している。つまり国民は金融機関の預貯金を通じて、結果的に大量の国債を保有していることになるのだ。
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