あたたかな繋がりを

「子どもたちがスマホを持っていて驚いた」

 

「(ボランティア先に来ている)子どもたちが想像以上に明るかった」

無料学習支援のボランティア仲間から、こんな感想を聞くことがあります。子どもの貧困と聞くと、どうしても暗いイメージを抱いてしまいます。しかし、必ずしもそうとは言えません。スマートフォンは生活保護制度のなかで贅沢品と指定されているわけではありません。各家庭でやりくりし、スマートフォンを持っている子どもも多いのです。

子どもの貧困は見ようとしないと見えません。学校や行政ではなかなか気がつくことが難しい小さなサインを拾い上げることが必要です。無料学習支援と言っても勉強をする子どもたちばかりではありません。勉強のエンジンがかかるまで時間がかかり、おしゃべりばっかりで騒がしい子も多いのです。一見明るく見えても、様々な事情があって助けを必要としています。いつでも手を差しのべられるように、夢に向かって踏み出す一歩をサポートできるように寄り添っていくことが求められます。

研究が進み、子どもの貧困が学力、健康、自己肯定感などに影響がでることが数値として示されるようになりました。厚生労働省の調査では、国内の子どもの貧困率は16.3%、つまり6人に1人が標準世帯の半分に満たない家計収入のもとで暮らしている計算です。こうした現状が知られるにつれ、解決に向けた動きが活発になっています。無料学習支援の場が増えています。一つの団体ではできることも限られてしまいます。地域のつながりを意識し、活動の幅を広げる取り組みも進んでいます。子どもの貧困問題を解決するためには、居場所作りが必要でしょう。

そのことを教えてくれる活動が大阪市西成区釜ヶ崎にあります。「日雇い労働者の街」と呼ばれてきたこの地で38年にわたり居場所作りの活動を続ける「こどもの里」です。ここを舞台としたドキュメンタリー「さとにきたらええやん」が6月中旬に全国で順次公開されます。私も先行上映を見ました。「ここにくれば自分を思ってくれる誰かがいる」。子どもにとってどれだけ心強いことなのか、再認識しました。

今朝の朝日新聞の教育面では横浜市に住む女子高校生の声が紹介されています。居場所づくりに関わりたいという強い思いが伝わってきます。若い世代から声をあがっていることに頼もしさを感じます。また一つ、また一つとどこかの地域で誰でもふらっと立ち寄れるあたたかな繋がりができますように。そう願わずにはいられません。

参考記事:朝日新聞(東京13版) 教育29面(teens)社会に言いたい 居場所代わりの食堂を

 

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