日本の安全保障について「あなたが」考えてください

今日の朝刊1面は、朝日、読売、日経の3紙ともに安全保障法案についてです。昨日の夜のニュース番組も、今朝の情報番組も、トップニュースはこの話題ではなかったでしょうか。皆さんは、この報道を見てどう思いましたか。安全保障について何か考えたでしょうか。ただ漠然と、「安倍さんが何か決めたのだな、それに反対して国会前でデモをしている人もいるのか」程度の関心にとどまっている人も多いのではないでしょうか。

昨日の夕方、安倍首相が記者会見を開いたのは、集団的自衛権の限定的な行使を可能にすることなどを柱とした安全保障関連法案を閣議決定したことの説明のためです。閣議決定ですから、まだ法律として確定したわけではありません。これから国会で、この法案について議論がなされた後、法律とするかどうか多数決で決まります。確かに今の国会の状態では、与党である自民党と公明党が両院で多数を握っていますから、この法案が否決されることは現実的ではないかもしれません。それでも、まだ最終決定とはなっていないのです。これを、すでに「決定したもの」として受け取った人は、多いのではないでしょうか。私たちはこれから、野党がしっかり批判できているか、それに対して与党はきちんと説明し、議論に向き合っているか、国会の審議をしっかり監視する必要があります。

今日、私が言いたいことは、題にも書いた通り「安全保障について『あなたが』考えてください」です。もちろん考えて、言論や行動に移している方はいらっしゃるでしょう。しかしながら、私の周りを見たり、日本全体の雰囲気を考えたりすると、まだまだ私たち国民は蚊帳の外、あるいは他人事といった感じがします。「安全保障問題なんて難しい問題は、きちんと国がわかりやすく説明してくれないと困る」と思う人もいるでしょう。では、その説明の一環として、昨日の安倍首相の記者会見があったとしたら、どうでしょうか。

誰かが噛み砕いてやさしく説明してくれることを待つだけではいけません。私たちが、自ら手にした情報をもとにして、考えなければいけないと思います。欲しい情報は、新聞はもちろんのこと、インターネットなどからも簡単に手に入れることができます。その情報をもとに自分なりに考えて、できればそれを家族や友達と話してみてください。家族や仲間内で政治の話をすることは、最初は難しく勇気のいることです。しかし、その勇気を出した行動は、周りの人々の意識をほんの少し変えることができます。少しずつでも、私たちの頭で地道に考えることが必要だと考えています。

最後に、私が今回の安全保障法制についてどう考えているか、少しだけ書きたいと思います。私には、数人の自衛官の友人がいます。新聞などで安全保障の話題が挙がるとき、いつも彼らのことを思いだします。友人として、無用な戦闘はもちろん避けてほしいと思う一方、日本に住む私たちを守るために、決意を胸に自衛官になった友人たちを誇りに思うこともしばしばあります。私たちが、日本の安全保障について考えるとき、まず初めに頭に浮かぶのは、自分の身の危険についてではないでしょうか。誰しも、自分の命は大事ですから当たり前のことだと思います。ただその後に、今日も日本の平和を維持してくれている自衛官のことにも思いを巡らせてください。私は彼らのためにも、自衛隊の行動規定がしっかりと明文化される必要があると考えています。また、国防の話になると、発言した人物やその人の思想にばかり注目が集まることが多いように感じます。ただ単に「右か左か」などという思想のみで語るのではなく、冷静に日本の平和や将来について考え、安全保障を論ずべきではないでしょうか。

 

参考記事

15日付読売新聞朝刊(東京13版)1面「日米同盟の抑止力強化 安保法案閣議決定」

同朝日新聞朝刊(東京13版)1面「政権、安保政策を大転換 法案閣議決定国会審議へ」

同日本経済新聞朝刊(東京13版)1面「安保政策 転換点に 関連法案を閣議決定」

未分類